1、公契約条例について
公契約条例とは、自治体が契約する建設工事、指定管理者制度、委託契約などで、ダンピングや重層な下請構造のなかで労働者が低賃金状態におかれていることを防止するため、一定の歯止めをかけるための条例です。
2009年に千葉県野田市で初めて制定されて以降、川崎市、多摩市、相模原市、国分寺市、渋谷区、厚木市などであいついで制定されてきました。その特徴は、設計段階で積算するために使用している設計労務単価を基準として、8割以上、あるいは9割以上と条例の中で定めていることです。また委託契約でもその自治体の高卒初任給の1時間当たり賃金を下回らないことなどを規定しています。
今回、長野県が検討されている条例案は、これまでの先行自治体とは異なり、長野県が行う契約はこうあるべきと言う理念を規定し、その理念に基づいて政策を展開することになっています。
労働環境に対する施策として長野県では、総合評価入札制度の中で、評価項目の中に労働者に賃金を適正に支払っているという項目を入れ加点するという方向で考えられています。
したがって、現時点で課題を指摘するとすれば、①長野県の条例は理念条例であり、直接労働賃金の下限を定めるものではない。②総合評価入札制度で契約される工事契約は件数ベースで3割であり、すべての契約を網羅していない。③適正な労賃の基準をどこで決めるのか、また適正な労賃が支払われていることをどう確認するのか、明確ではない、⑤労働者の範囲に一人親方が入るのかなどの問題があります。そこで、何点かお伺いします。
(1)4月から設計労務単価が人材を確保する為社会保険への加入費用分として、約18%アップされましたが、現場で実際支払われる為にも公契約条例が必要となります。設計労務単価の引き上げにより、実態賃金へ現状反映されているのでしょうか。
(2)県の示した考え方で、賃金の支払い実態の調査をせずに労働者の通報制にすれば、通報した人が不利益扱いになることは目に見えています。これでは企業側に強制力が働き難いという問題があります。第三者委員会に賃金・労働条件などを調査する機能を持たせたらどうでしょうか。以上、建設部長にお伺いします。
(3)県が行う契約全体に関わる条例としていくためには、すべてを総合評価入札にしていかなければならない内容です。しかし、総合評価入札制度では中小企業でこれから頑張ろうとするところが、どんなにがんばっても、入札点以外の点数で逆転されてしまう可能性を排除できないという課題も残ります。さらに委託契約、印刷などの物品売買契約にも適用されることを可能にする条例とすべきと私は考えます。そこで知事にお伺いします。そもそもこの公契約条例は、建設労働者の賃金の低下に歯止めがかからず、若者の建設業離れ「給料が安い、結婚できない、休暇が取れない」という新3Kともいわれる状態を改善することを一つの理念としています。少なくとも「官制ワーキングプア」をつくらないということが大切な考え方だと思いますが、公契約条例についての知事のご所見をあらためてお伺いします。
公契約条例とは、自治体が契約する建設工事、指定管理者制度、委託契約などで、ダンピングや重層な下請構造のなかで労働者が低賃金状態におかれていることを防止するため、一定の歯止めをかけるための条例です。
2009年に千葉県野田市で初めて制定されて以降、川崎市、多摩市、相模原市、国分寺市、渋谷区、厚木市などであいついで制定されてきました。その特徴は、設計段階で積算するために使用している設計労務単価を基準として、8割以上、あるいは9割以上と条例の中で定めていることです。また委託契約でもその自治体の高卒初任給の1時間当たり賃金を下回らないことなどを規定しています。
今回、長野県が検討されている条例案は、これまでの先行自治体とは異なり、長野県が行う契約はこうあるべきと言う理念を規定し、その理念に基づいて政策を展開することになっています。
労働環境に対する施策として長野県では、総合評価入札制度の中で、評価項目の中に労働者に賃金を適正に支払っているという項目を入れ加点するという方向で考えられています。
したがって、現時点で課題を指摘するとすれば、①長野県の条例は理念条例であり、直接労働賃金の下限を定めるものではない。②総合評価入札制度で契約される工事契約は件数ベースで3割であり、すべての契約を網羅していない。③適正な労賃の基準をどこで決めるのか、また適正な労賃が支払われていることをどう確認するのか、明確ではない、⑤労働者の範囲に一人親方が入るのかなどの問題があります。そこで、何点かお伺いします。
(1)4月から設計労務単価が人材を確保する為社会保険への加入費用分として、約18%アップされましたが、現場で実際支払われる為にも公契約条例が必要となります。設計労務単価の引き上げにより、実態賃金へ現状反映されているのでしょうか。
(2)県の示した考え方で、賃金の支払い実態の調査をせずに労働者の通報制にすれば、通報した人が不利益扱いになることは目に見えています。これでは企業側に強制力が働き難いという問題があります。第三者委員会に賃金・労働条件などを調査する機能を持たせたらどうでしょうか。以上、建設部長にお伺いします。
(3)県が行う契約全体に関わる条例としていくためには、すべてを総合評価入札にしていかなければならない内容です。しかし、総合評価入札制度では中小企業でこれから頑張ろうとするところが、どんなにがんばっても、入札点以外の点数で逆転されてしまう可能性を排除できないという課題も残ります。さらに委託契約、印刷などの物品売買契約にも適用されることを可能にする条例とすべきと私は考えます。そこで知事にお伺いします。そもそもこの公契約条例は、建設労働者の賃金の低下に歯止めがかからず、若者の建設業離れ「給料が安い、結婚できない、休暇が取れない」という新3Kともいわれる状態を改善することを一つの理念としています。少なくとも「官制ワーキングプア」をつくらないということが大切な考え方だと思いますが、公契約条例についての知事のご所見をあらためてお伺いします。
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