こんにちは「中川ひろじ」です。

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20190930 一般質問その2 建設労働者の処遇改善について

2019-09-30 18:37:41 | 雇用労働・産業

【中川】次に、建設労働者の処遇改善についてお伺いします。平成26年に長野県の契約に関する条例をつくり、「契約の適正化」「総合的に優れた契約の締結」「県産品の利用など契約内容への配慮」「労働者の賃金が適正な水準にあることなどの労働環境が整備されていることなど事業者の社会貢献活動への配慮」の四つの基本理念を踏まえた取組を行ってきました。これらの取り組みを踏まえて以下四点について建設部長にお伺いします。

一つは、「建設工事における適切な労働賃金の支払を評価する総合評価落札方式」の試行が行われてきましたが、これまでの取り組みにおける成果と課題について、また労働環境の整備と密接不可分な建設業の労働力不足問題をどう考えているのか。

二つに、今回技能労働者の処遇改善に向けた新たな取り組みとして「標準見積書の活用促進」「建設キャリアアップシステムの活用」「月給制への移行促進」「週休2日制の導入」「経営者の意識調査」が提起されていますが、これらの取り組みでどのような効果が期待されるのでしょうか。

三つに、建設労働者の賃金水準を上げるためには、公契約だけでは限界があります。民間工事も含めた方策について考えはありますか。

四つに、建設現場で「働き方改革」を進めるためには、建設業の特に中小零細企業支援が必要と考えますがいかがでしょうか。

【建設部長】建設工事における適正な労働者の賃金の支払いを評価する総合評価落札方式の成果と課題、建設業の建設労働者不足についてのお尋ねでございます。現在、長野県の建設労働者数については、平成27年度の国勢調査の結果では、20年前と比べ約5万人、割合にして約40%減少しており、若手入職者が少なく、高齢化が顕著となっております。この状況が続けば、インフラの適正な維持・管理に影響が出るととともに、甚大な災害が発生した場合の対応などに支障が生じるおそれがあると考えております。今後は、建設労働者の処遇改善を含め、労働環境の整備に向けてさらなる取組が必要と考えております。こうした中、「建設工事における適正な労働賃金の支払いを評価する総合評価落札方式」は、建設業の経営安定と労働環境の整備を一体的に進める取組のひとつとして、平成28年度より試行を行っているものです。本年8月末現在で、工事しゅん工後、関係書類提出に至った工事が64件となっており、その内容を確認したところ、元請企業と下請企業の間では、適正な水準の労働賃金を含む内容で契約がなされ、工事終了後は適切に支払いが行われていることが確認されました。一方、本試行では、下請企業への支払いまでは確認できるものの、企業から建設労働者へ適正な水準の賃金が支払われたかについては、当該企業が当該工事のみを受注しているわけではないこと、労働者一人ひとりの経験や能力、現場ごとの役割が異なることなどから、確認が容易ではないことが課題となっております。このため、引続き、同試行方式で取り入れていた標準見積書の活用を促進しつつ、今後は、これに建設キャリアアップシステムの普及や月給制への移行といった施策を加えた新たな取組として推進していく必要があると考えております。 

次に、標準見積書の活用促進をはじめとする新たな取組の効果についてのお尋ねでございます。まず、標準見積書の活用により労務費を明確化していくことで、元請企業から下請企業に適切に労務費が支払われることが期待できます。次に、建設キャリアアップシステムの活用については、技能労働者の資格や就業履歴を登録・蓄積していくことにより、将来、技能や経験にふさわしい処遇への改善と、現場管理の効率化につながることが期待されます。また、技能労働者のほぼ半数が、給料から現場の不稼働日分を差し引かれる日給月給制であることから、月給制への移行を図ることにより、週休2日等の働き方改革が進むものと考えております。さらに、現在実施中の経営者の意識調査により、企業の規模、土木・建築別等の種別ごとの状況を多角的に把握することで、より的確な施策の検討ができるものと考えております。以上の取組を総合的に進めることによって、建設労働者の処遇改善や働き方改革が図られ、今後の建設業の担い手確保が進むものと期待しております。

次に、建設労働者の賃金水準向上のための、民間工事も含めた方策についてのお尋ねでございます。公共工事において、建設キャリアアップシステムの活用や月給制の採用に取り組む企業に対して、入札参加資格申請時や、入札時において評価することで、企業としての取組が広がり、自動的に民間工事へもその効果が波及し、労働者の処遇改善につながるものと考えております。併せて、標準見積書については、県が発注する全ての工事での活用を目指し、工事監督時の指導を行うとともに、民間工事を含めた業界全体への普及啓発等を行っていきたいと考えております。

最後に、働き方改革の推進に向けた中小零細企業の支援についてのお尋ねでございます。中小零細企業を含めた建設業全体の働き方改革については、働き方改革関連法に基づき、令和6年度より時間外労働の上限規制が導入されることとなっております。このため、県では、総労働時間の縮減に向けて、平成30年度から「施工者希望型週休2日工事」を導入し、さらに、本年9月より「発注者指定型週休2日工事」に取り組んでおります。この取組では、受注者が週休2日を実施した場合には、工期延長に伴う労務費等の経費を工事費に加算することとしており、中小零細企業の経営にも配慮したものとしています。 

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