最終日の2月18日ソウル市庁。
地階は「市民聴」といって市民の声を聴く場所となっていました。市民発言台があり、申し込めば自由に発言ができる場所です。
地階にいく音の出る階段を使えば、障がい者へのカンパになります。(動画あります)
国際課のアジア担当リーダーのキムさんが出迎えてくれました。
最初の視察項目はソウル市の福祉政策です。
ソウル市民の福祉の現実
・貧困を個人の責任ととらえ・・・福祉の死角・危機に瀕している家庭がなお存在する
ソウル市の手当てを受けていない貧困層29万人 電気料金を3か月以上滞納7.5万世帯
・急速に老いるソウル・・・貧困の問題だけではとらえられない福祉
※ソウル市 2013年合計出生率0.968人 2019年65歳以上人口比率14.3%
65歳以上の高齢者の扶養費の推移 2010年15.2% 2030年38.6% 2060年80.6%
・共同体指数・・・OECD加盟国中最下位36位
・急増する福祉へのニーズに比べ福祉人材が不足している
福祉対象者2011年1480千人から2013年2574千人に73%増加
福祉担当の公務員2011年3674人から2013年4365人に18%増加
福祉を担当する公務員一人当たり福祉対象者590人
・これまでの取り組みは?
金大中政権(生産的な福祉35兆2000億ウォン)、慮武鉉政権(参与福祉50兆8000億ウォン)、李明白政権(能動的な福祉81兆2000億ウォン)、朴槿恵政権(個々に合わせた雇用・福祉114兆ウォン)
・福祉デリバリーシステムの限界
机上の空論にとどまる福祉行政(福祉デリバリーシステムが給与や行政支援システムの改編に集中している)
マンパワーの拡充なき地域福祉の強化(専門的な社会福祉人材を拡充せず行政職を再配置し、実効性が不十分
福祉サービスを提供する洞住民センターの社会福祉公務員が行政の処理に追われている現状
・福祉の「漏救」が進む
福祉、保健、雇用など国の360の福祉事業が洞住民センターに集中している。
これを実行する人手が不足し、平均1洞当たり2~3人の公務員が全ての福祉事業を担当しているのが実情
実際に福祉サービスを必要としている市民たちは恩恵を受けられない結果に
・次々と聞こえてくる悲しいニュース
2014年松披(ソンパ)母娘自殺事件、2014年長安(チャンアン)洞一人暮らしの高齢者の自殺、2013年社会福祉公務員の自殺
これ以上先送りできない 福祉行政の刷新
・待つだけの福祉から訪問する福祉へ、洞住民センターを行政事務を処理する場所から市民の福祉と健康をケアし、共同体を支援する場所へ
・洞住民センターが”市民を訪問する福祉”を実現させます
・社会福祉人材・訪問介護人材を現在の2倍に拡充(2015年社会福祉人材500人、訪問看護師106人、計606人拡充。2017年1洞当たり平均社会福祉職を5.6人、訪問看護師を一人ずつ配置2450人拡充)
社会福祉・訪問看護師の待遇改善に向けて自治区への支援拡大(社会福祉職人件費75%支援、訪問看護師人件費100%支援)
・洞住民センターで増員した公務員の役割(主務官、福祉プランナー、訪問看護師、事務管理担当官、福祉専門相談員、地域事業担当者)
福祉プランナーと訪問看護師が1千万ソウル市民を訪問します(子育て、貧困・危機家庭・高齢者)
・子どものための福祉プランナー(出産時から個々に合わせた福祉サービスを提供します)
子どもための訪問看護師(母乳授乳の教育、新生児の健康評価、乳幼児の健康診断、予防接種の案内)
社会福祉担当公務員(出産支援金や養育手当など福祉サービス、子どものケア・共同育児などケアサービスの案内)
・貧困危機家庭の福祉プランナー
福祉の谷間に取り残される人がないように、持続的に関心を持ち、連携します。
社会福祉担当公務員、地域主務官、福祉統班長がソウル型の緊急福祉、地域資源との連携、洞レベルの事務管理などを通じて問題を解決。持続的なモニタリング。
・高齢者福祉プランナー
65歳の全ての高齢者の元を訪れ、幸せな老後設計をサポートします。
訪問看護師は、お年寄りの健康状態をチェック、相談。3つのグループに分け持続的な管理。
社旗福祉担当公務員は、基礎年金など福祉サービス、地域文化福祉施設の利用。
福祉相談専門官が生活にお困りの方からの相談を受け付けております
・福祉相談専門官が、隠れている問題まで、OneStopで解決します。
豊富な経歴と情報を持つ社会福祉公務員を福祉相談専門官として配置。
複数の窓口を訪れることなく、1つの窓口で相談し解決(地域弁護士、税理士など専門家と連携)
。
・洞レベルの事務管理、地域の全ての人材や機関と協力し、市民の福祉を最後まで支えます。
民間福祉機関・地域の病院、医院、保健所・洞住民センター・希望福祉支援団、ドリームスタート・学校・交番
・洞レベルの事務管理例
複合的な問題の事例=ひとり親家庭・非正規職・経済的な問題・子どもへのネグレクト・家庭の衛生問題
区庁(雇用支援センター):就職教育、求人紹介
民間福祉機関:後援連携、清楚のボランティア
学校:放課後学習指導
ドリームスタート:親子の絆強化プログラム
地域の病院、医院、保健所:心理相談、健康相談
洞住民センター:事例管理、公共福祉サービス
共に問題を解決する「地域共同体」を構築します
・地域の主務官が町の構成員として、地域の多様な人材や機関を集め繋ぎます
メンタルヘルス対策センター・認知症支援センター・地域の税理士・通、班長・民間の社会福祉館・分かち合う隣人・水道検針員・地域の弁護士・地域共同体支援センター
・住民が主導する地域の計画を立て、実践します
・人と人がつながる地域共同体を構築します
住民の連携、住民リーダーの発掘、洞レベルの地域コミュニティーの形成=共同体の回復
・これらの取り組みを通じて何が変わるのでしょうか?
訪問する普遍的な福祉を通じて、妊婦は安心して子どもを産み、子どもたちはすくすく育ちます。お年寄りはより元気で幸せな老後を過ごします。福祉の死角が次第になくなります。
福祉相談専門官に、気ががかりなことを相談することができます。
地域の主務官は、地域の福祉を最後まで支え、町の人々の絆を深めます。
地域の事業担当者と共に楽しく暮らす共同体を回復します。
2015年7月1日、80洞から始まり、2016年282洞、2017年424洞 今後2年間でソウル市全域の洞住民センターが変わります。
年次別予算 2015年209億ウォン、2016年544億ウォン、2017年769億ウォン
2015年予算内訳 社会福祉専門公務員人件費75億、訪問看護師人件費26億、洞住民センター空間改善59億、モデル事業の運営支援2.8憶 地域計画の策定など事業費4.6憶 ソウル市自治区推進支援団(出捐金)運営12.6億 その他事業費29.1憶
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