昨日の長野会場に引き続き、6月22日信州生活者ネットワーク松本が主催して「おしどりマコ・ケン取材報告会」が生活クラブ松本センターで開催されました。小出裕章先生や西村忠彦先生もご参加されていました。以下要約。
①福島県「県民健康管理調査」検討委員会の傍聴者が増えている?
2011年から東京電力の記者会見にずっと出ているが、最初は多かった記者が次第に減って先週は3人だった。一方で福島県「健康管理調査」検討委員会は最初は10人程度だったが最近は傍聴も含めて100人を超えることもある。なぜか?「2011年からただちに影響はないと聞かされてきたが、最近子どもの病気が増えて気になって来た」という。
②運動部の子どもの病気が増えている?
このほか「最近喪中ハガキが増えている」「運動部の子どもの病気が増えている。聞いてほしい」という住んでいる所が違う人3人から聞いた。
文科省は2011(平成23)年4月19日付で、「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な考え方について」という文書を出して、「校庭・園庭で3.8μ㏜/h未満の空間線量率測定された学校については、校舎・校庭等を平常通り利用して差し支えない」とした。
しかし、2012年6月5日に厚生労働省が特定線量下業務の基準を2.5μ㏜/hとしている。
③農家の傍聴者も増えている?
「玉ねぎを1000個収穫して、根が4つあるものが2つ、根が3つあるものが2つできた。30年以上農業やっていて初めて」という農家の話。「政府が大丈夫というから普通に農業をやってきた」。
高齢者の方が甲状腺がんになって手術した。「福島県立医科大で最初は9月に手術を予定していたが、ベッドの空きがない、緊急性の高い手術が優先され、と結局12月になった。3日で退院。150世帯の村ですでに3人が甲状腺がんになっている。2011年4月福島市郊外へ山菜を採りに行って山の湧き水を飲んだことが下人ではないか」。
④福島県農民連盟の対政府交渉
農民連盟の要求は、農産物の風評被害対策ではなく、農家の健康被害の責任を取ってほしいということ。国は「セシウムに汚染された農地はカリウムをたくさん入れれば野菜はカリウムを吸収してセシウムを吸収しにくくなる」という指導。放射能対策として「肌の露出をなくせ、マスクをしろ、土埃は畑でおとして家に持ち込まない・・・」まるで放射線管理区域で農業をやれと言っているようなもの。農民連盟では放射能の土壌検査の結果を交渉の席に持ち込んでいるが、4万㏃/㎡で放射線管理区域となるが、2016年伊達市の圃場で空間放射線量は0.21μ㏜/h。0.34μ㏜/h以上なければ除染はしない。ところが土壌検査をすると176,300㏃/㎡、162か所を調べて161カ所が4万㏃/㎡を超えている。
国は「4万㏃/㎡は事業者が労働者を働かせるときの基準であるので農家は自己責任」という。それでは農業法人は該当するのか。
⑤息を止めて素早く通りぬけろ?
避難解除になって農業を再開するための説明会がこれまでに6回開かれている。「農地や自宅は除染をしたが、自宅から畑に行く間は除染がされていない、全体としてどういう状況か」と質問をしたら、「確かにそうです。自宅から畑に行く途中で放射能が高いところは息を止めて素早く通りぬけてください」。という回答。また「家庭菜園を再開したいが内部被ばくのリスクはないのか」という質問に、「できるだけ早く鼻をかむことです」「これからはセシウムと共存する生活をしてください」という政府の回答。それを聞いた皆さん「無茶苦茶」「私たちにセシウムが残っているところへ帰れと言われてると感じた」という感想。
⑥放射性廃棄物、日本全国最終処分場?
福島県は、福島第一原発周辺で中間貯蔵施設を受け入れる代わりに、最終処分場を30年以内に県外でつくることを条件にした。しかし不可能。2015年最終処分場の確保は困難なので量を減らして再処理をすることに。「土で土を遮蔽する」?雨が降れば下流の田畑が汚染することも検討課題になっている。最終処分場がないから全国の自治体が行う公共工事で使う。これまでの100㏃/kg基準を8000㏃/kgに「新基準」「世界的にも例がないプロジェクト」。自治体が手を上げやすいように交付金もつける。
⑨通常診療を受けて甲状腺がんになっていれば、県民健康調査からはずされる?
これまでの18歳以下38万人の健康調査を行い191人が悪性の甲状腺がんが判明し手術を受けている。ところが1次検査でB,C判定で次の2次検査の前に通常診療を受けて甲状腺がんが見つかった場合は、人数にカウントされていない。検討委員会で紛糾したが委員はこれで任期満了、委員長「これで一生会わない人もいる。今生の別れ。言いたいことは全て言ってくれ」というまとめ。
⑩4歳で甲状腺がん発見、その意味は?
チェルノブイリでは4歳以下の甲状腺がんがあったが、福島ではないのでチェルノブイリとは違うという前提があった。しかし通常診療で4歳の甲状腺がんが見つかって、これまでの前提が崩れた。
⑪原発事故の被曝量はレントゲン検査と同じで安全か?
レントゲン検査の被ばく量は原発事故と同じで危険だ。
⑫その他
甲状腺がんだけではない被ばくによる健康被害?
地域単位で調査するのではなく、事故時家族で動いているので、家族単位で健康調査を行うべき?
記者クラブ制度が福島原発事故の情報の発信を邪魔しているのでは?(私の感想)
18歳以上の甲状腺がんは?(私の疑問)
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