リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

テオルボ到着!(3)

2007年08月10日 10時37分36秒 | 音楽系
通関の書類はめでたく1時ちょっとすぎには記入完了し受理され、必要な経費を払いました。全部自分でやっただけに、さすがに安上がりでした。結構面倒ではありましたが・・・

通関の証明書類を持ってJALKASの荷物引き渡しセクションに行きまして、いよいよご対面です。テオルボは大きめのぷちぷちにぐるぐる巻きにされていました。このまま持っていくわけにはいかないので、無理を言ってぷちぷちは引き取ってもらうことに。普通はだめみたいですが、担当の方のご厚意に感謝します。早速ケースを開けて、子細にチェックし、無事届いたことを確認しました。めでたしめでたし。

家に帰ったのは6時を過ぎていました。朝の8時前に家を出ましたので、10時間以上かかったわけです。早速部屋に冷房を入れて、涼しくしたところでケースから楽器を出しおもむろに調弦し、安定するまでの間にストラップを作ることにしました。作るといっても、テープ様に切ってあるなめし皮に切り込みを入れて、端を折り返して接着するだけですけどね。(笑)

完全に接着が完了するまでの間に食事を済ませて、いよいよ音出しです。多分モーリスは作ってから音をほとんど出していないはずなので、初音だしになるはずです。この最初の1時間程度の弾き込みは、もっとも楽器の生涯において音が変化する時間です。この記念すべき初期弾き込みに、ド・ヴィゼーのト長調の組曲を弾いてみました。指盤上の弦長75センチ、番外弦116センチのフレンチ・テオルボにはふさわしい曲です。

「初期弾き込み」は1時間どころか2時間以上弾いていましたが、本当にすばらしい楽器です。長い弦の持つ力強さとシングル弦の甘さを兼ね備えた期待通りの楽器でした。実は私はこの楽器をいろんな用途で使うことを考えています。ひとつは、当然Aチューニングのテオルボ。あとアーチ・リュート式にGチューニングにしてツアンボーニあたりを弾くことも考えています。ソロや通奏低音にいろいろ使いでがある楽器になると思います。来年の3月頃に、第6回目の「リュート音楽のひととき」のコンサートを計画しているんですが、この回はこの楽器できまりですね。

明日から高山で名古屋バロック音楽協会主催の夏期セミナーが開かれますので、このブログはしばらくお休みします。14日に再開します。