リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

とらや(2)

2007年10月16日 11時50分51秒 | ローカルネタ
とらやの饅頭はその性質上大量生産に向いておらず、生産量はごくわずか、販売も本店とあと近所に何カ所か出しているという程度のようです。ただ、ちょっと宣伝が行き届いていないきらいもあって、同じ限定生産の老舗、奈良のだんご庄みたいに行列ができるというところまではいっていません。でもこういうとらやさんみたいなのって好きなんですよね。さりげなくふつうに売ってるのに、創業は300年を超える超老舗ブランド!って感じですね。今の世の中はちょっと老舗とかブランドとかいうとガツガツしすぎなんですよ。

名古屋の納屋橋饅頭も酒蒸し饅頭ですが、こちらはあちこちにでまわっており、かなりの量が生産されているようです。なんでも聞くところによると、昔桑名のとらやさんの職人さんがのれん分けで創業したのが納屋橋饅頭だそうな。こちらは商売上手で、とらやとは違う薄皮の製法を編み出し、大量生産を可能にしました。薄皮にすこし気泡が入っていてこれが長持ちの秘訣のひとつなんでしょう。あとパッケージングも工夫してあるんでしょう。でも味はとらやに比べれば数段落ちます。自動車などのようにもともと大量生産して品質を上げていくというものは別として、元来少量生産していたものを「工夫」して大量生産しようとしるとどうしても味はおちてしまうもんなんですね。赤福さんしかり。納屋橋饅頭さんしかり。ま、でもそこそこおいしいですけどね。でもとらやさんはもっとおいしい。