リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの楽器たち(5)

2021年08月16日 19時46分56秒 | 音楽系
1976年に当時オランダのデンハーグ在住だった佐藤豊彦氏の自宅に1か月近く居候させていただいたことがありました。そのときに加納氏のバロックも持参しました。当時飛行機で楽器もいっしょに持って行くとき、楽器は荷物として預けても特に問題はありませんでした。

というのは、今と違って飛行機までのベルトコンベアは平面的で、今のようにドーンと上から落ちるような部分がなかったからです。79年に渡欧したときも同様で、楽器のダメージは全くありませんでした。今のように1m以上の高さから落とされたら大体の楽器は壊れますよね。

佐藤氏宅で居候中は氏の楽器を弾かせてもらったり(実は大きな声では言えませんが留守番のときにはいろんな楽器を弾きまくりました)、氏に加納氏の楽器を弾いてもらい感想を聞かせてもらったりました。

氏の感想で印象に残っているのは「よく鳴っていい楽器なんだけどなんか違うんだよなぁ」というつぶやきでした。実はその前にこっそり氏の楽器を弾かせてもらったとき、私は自分の楽器が似て非なるサウンドがするのに驚いたので、氏のつぶやきにがっかりしつつも納得しました。氏の楽器にはニコやファン・デ・ゲーストなどがありました。