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続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

河口湖自動車博物館・飛行館

2021年08月14日 13時05分46秒 | 日々のこと
8月の始めに山梨県の「河口湖自動車博物館・飛行館」に行ってきました。ここは毎年8月のみ開いている稀有な博物館です。

昨年はコロナ禍で8月の公開はありませんでしたが、今年はまだコロナ禍が続く中、十分な感染対策をして開館しています。ここは原田信夫さんという資産家の方が設立した私設博物館ですが、特に大戦機に関しては国内ダントツの展示内容です。

日本では負の遺産とか言って大戦機に低い評価をする(今風に言うとディスる)人がいますが、航空産業こそ完全には引き継ぐことはできませんでしたが、その技術力は戦後の日本の復興発展に大きな力になっています。そういった技術遺産をきちんと評価している当博物館は貴重な存在です。

今年の目玉は二つありました。ひとつは中島飛行機が開発した陸軍一式戦闘機(キ43)二型の復元が完成して、展示されていたこと。これは本当は昨年に公開するはずだったらしいです。



一型も当博物館で何年か前に復元され、現在は塗装も施され博物館の天井近くに展示されています。

もうひとつの目玉は海軍艦上偵察機彩雲です。これはまだ骨組だけに近い状態ですが、これから復元を進めていくそうです。


骨格後部より。奥に見えるのは海軍一式陸上攻撃機の垂直尾翼。

この機体は2000馬力級の「誉エンジン」(実用性能は2000馬力は出なかったらしいですが)を装備し、最高速度時速600kmを超える性能を誇りました。偵察作戦行動中、敵機グラマンF6F戦闘機に追われたが振り切り、「我ニ追イツクグラマン無シ」と打電したという逸話が残っています。

彩雲の復元はまだ時間がかかりそうですが、来年はどのくらい進んでいるのか楽しみです。