リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

歴史的謝罪

2021年08月09日 13時10分59秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
1945年8月6日の広島に続いて同年8月9日には長崎にそれぞれリトル・ボーイ、ファット・マンと名付けられた原爆がアメリカにより投下されました。広島、長崎では平和祈念式典が毎年開催され、今年の広島の式典では菅総理がスピーチ原稿をすっとばしたのは報道されたとおり。

私が高校生の頃、修学旅行で長崎の平和記念公園に行くというので、少し予習をしました。広島は帰りの夜行で通過しただけでしたが、関連して広島の平和記念公園についても予習しました。

広島平和記念公園に設置されている慰霊碑にはこんな碑文が刻まれていることを知りました。「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」

これをはじめて読んだとき、「誰が」過ちを繰り返さないのかな?と思いました。アメリカが投下したはずなのに、これでは日本人が悪いという意味にとれるのとちゃうやろか、なんて高校生の私は素朴な疑問を持ったものでした。

実はこの碑文については慰霊碑設置時からいろいろ議論になっていたそうですが、「誰が」というのは「人類みんな」ということで落ち着いているようです。

でも「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから by アメリカ」ならよくわかるのですが、「人類みんな」が主語では、戦争中にアメリカが戦術のひとつとして日本の広島、長崎に原爆を投下し何十万人という非戦闘員を瞬時に死に至らしめた、という事実が隠れてしまっている感じがします。

アメリカの退役軍人が存命の今はまだ難しいでしょうけど、条件が整った中期的将来にアメリカは日本に原爆投下に対する歴史的謝罪をすべきだと思います。このような大殺戮をうやむやにしておいていいはずがありません。その意味では2016年のオバマ大統領の広島訪問は、本当は断るべきだったと思います。

某タレントが原爆の悲惨さを知ることは重要だという旨の発言をしていましたが、そのレベルで終わるのではなく、アメリカの謝罪に向けて日米共に歴史的な準備を整えていかなければならない時期に差し掛かっているのではないでしょうか。