リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの楽器たち(6)

2021年08月20日 15時53分41秒 | 音楽系
76年に渡欧する少し前に、当時ヨーロッパで勉強していた知り合いのSさんにイギリス在住のリード・ガルブレイスという製作家を紹介してもらいまして、スワン・ネックの楽器を注文しました。そして渡欧したときに、オランダから船でイギリスまで行ったときの顛末は以前のエントリーで書きました。

その時にリードにいろいろ細かい指示をしてきまして、77年に楽器が完成しました。実はいつ完成したかは記憶がなかったのですが、過去の記録を見てみましたら、その頃浜松で開催したコンサートのプログラムに使用楽器がリード・ガルブレイス1977年製と書いてありました。



上の写真は1979年長野県の白馬村で開催された何かのセミナーでのひとコマ。ヴィオラ・ダ・ガンバの福沢宏さんも来ていましていっしょに演奏している写真もありました。

楽器を購入した当時は消費税はなかったのですが、関税がリュートにもかけられる時代で結構な税金を支払った記憶があります。また送付も巨大な木枠の箱に梱包されて送られてきまして、当時名古屋の笹島にあった税関に足を運んで中身の確認をするように言われたので出かけた覚えがあります。そこで楽器を頂けるのと思いきや、確認だけで受け取りはまた後日と言われました。いやぁー高飛車な感じがしましたねぇ。

今みたいにプチプチはなかった時代です。大きくて重いものを運ぶわけですから当然ロンドンからの輸送費もかかりました。関税と輸送費合わせて30万近く行った記憶があります。

この楽器を購入するために、それまで使っていた加納氏の楽器は名古屋在住の方にお譲りしました。加納バロックは結局2年余り使っただけでした。