リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの楽器たち(7)

2021年08月23日 14時45分13秒 | 音楽系
正確な年は覚えていませんが、72年に入手した加納ルネサンスを櫻井浩一氏の楽器に替えています。多分70年代半ばだったと思います。加納氏の楽器は音はとてもよかったのですが、ペグの構造に問題がありました。その楽器のペグはワンピースではなくて軸の部分と回す部分が組み合わされている2ピース構造になっていました。そのため、ある程度使うと2ピースがずれて微妙な調弦ができなくなりました。


唯一残っている加納ルネサンスの写真

加納ルネサンスの写真は残っていないと思っていましたら、1974年に故酒井康雄氏らと開催したコンサートのチラシを思い出しました。当ブログで酒井氏の追悼記事を掲載したときに使いました。なお、この連載で加納ルネサンスを7コースと書きましたが、この写真をみると10コースでした。そして野上ルネサンスも10コースでした。そういや当時はブリッジの弦幅を広めにとった7コースというのはまだあまり見なかった時代で、大(10コース)は小(7コース)を兼ねるなんて素朴に考えていた時代でした。

加納氏にどういう対応をお願いしたかは覚えていませんが、結果的にその楽器をどなたかにお譲りし、当時横須賀に住んでいらした櫻井浩一氏の楽器を購入しました。多分10コースだったと思いますが、なぜか写真が残っていないのでよくわかりません。

この楽器は音量はあまりなかったですが、雑味のない音質で弾きやすく85年頃まで使っていました。

櫻井氏は現在は製作をやめており、横浜で「櫻井弦楽器」というお店を経営されています。主にヴァイオリン系の楽器の販売、修理をされているようです。関東に行ったときお店に立ち寄ろうとは思っているのですがなかなかできずに来ています。今年こそはと思っています。