リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの楽器たち(2)

2021年08月12日 22時15分03秒 | 音楽系
大学では友人たちと立ち上げた新しいギターのクラブの指導と学食で食事をするのが中心になり、留年しないようにどうしても出なければならないものだけ出席していました。あ、ドイツ語は必要だと思ったのできちんと出てました。(笑)もちろん出ていた教科の単位だけでは確実に留年しますが、残りの授業はときどき顔を出して様子を見て、あとは試験のときエイヤっと答案を書いてCで通過していました。(A+というのが最高評価。Cの下はFで不合格です)先生の顔も知らず試験だけ前日に勉強して受けたら何とAで通ったというのもありました。(笑)

さて件の名古屋の製作家は加納木魂氏で、連絡を取り工房にお邪魔しました。早速楽器を見せてもらいましたが、野上氏の楽器とは雲泥の差でよく楽器が鳴ります。まだ試作品だというのですが、なんとかお願いしてゆずって頂くことになりました。

そこで必要になるのが資金です。あらたに楽器の資金を捻出するのは不可能なので、まだ半年も使っていない野上氏の楽器を売ることにしました。不思議なことに、この後もずっとそうなのですが、私が楽器を売ろうと思うと必ず買って頂けるすぐ現れるのです。その時も東京方面の方に売りたい楽器があると連絡しましたら、東京在住で日本航空にお勤めの方が買いたいとのことでしたので、お譲りすることにしました。連絡を取った翌日に名古屋に来れるということなので、名古屋のヤマハ楽器のはす向かいにあるレストランでお渡しができました。あっと言う間の譲渡劇です。日本航空にお勤めという以外は詳しくはお伺いしなかったのですが、こんなに早くいらっしゃるとは、ひょっとしてパイロットの方だったのかも知れません。

加納氏の楽器は7コースで表面板にはルーマニア産のスプルースを使用しているとのことです。加納氏はお父様の代からギター製作をされていて、このスプルース材はお父様の代からのものだということでした。