今回からブレです。ブレはアップテンポの曲ですので軽快に弾く必要があります。
意外にもこの曲の前半はそれほど技術的に難渋する箇所はありません。9小節目からバスの動きが活発になりますが、鍵盤楽器のアレンジみたいな動きではなくリュート奏者が作った曲でもこのくらいの動きがあるのはいくらでもあります。
とはいうものの全体のテクスチャーがリュートの「ツボ」にはまっているかというとそれはなかなか微妙なところ。できるだけリュートに都合のいいポジションを取ったつもりですが、ヴァイスみたいにはいかないのがバッハです。でも聞いている人にとってはとてもリュート的な音の流れだと感じるのではと思います。
ともあれ、無窮動で138小節もあるプレリュードやスローでも技術的に大変なルーレと比べればずっとありがたい曲です。組曲の終盤だということでバッハもある程度は配慮してくれたのかも知れません。