大相撲九州場所は琴櫻が見事初優勝を飾りました。千秋楽の豊昇龍との相星決戦を制したわけですが、豊昇龍は足を滑らせてしまい惜しいことをしました。琴櫻はラッキーでしたが、まぁ運も実力のうちでしょう。
三賞では前頭2枚目の若隆景の技能賞が光ります。若隆景というしこ名はたぶんアナウンサーや相撲解説者泣かせだったと推察します。けがをして下に落ちる前はベテランアナウンサーもときどき噛んでいましたし、名解説者舞の海さんなんか何度も噛みまくっていたくらいです。
若隆景が故障で下に落ちている間は、「ワカタカカゲ」と読み上げる必要がなかったので安心していたのではと拝察しますが、再起して上位に上がってくるにつれてまた悩みが増えてきたようです。最近の場所とくに今場所なんかは何回も「ワカタカカゲ」と読み上げる必要が出てきました。
でもみなさんある戦術を身につけたみたいです。それは少しゆっくりめに言うことです。早口で実況していたアナウンサーが若隆景が出てくるとそのしこ名の部分だけ速度が2割くらい(私の実感です)落ちます。おかげでもう噛むことはなくなりました。
でも本質的にはその戦術は邪道です。私の独自日本語発音の分析では、日本語のガ行に鼻濁音があるようにカ行にも別の発音が存在しています。カ行の「カ」と「コ」における弱鼻音的な音です。「カ」と「コ」の音は語頭では破擦音でかつ音を前に出しますが、語尾では破擦音かつ弱鼻音みたいな音に変わります。
「ワカタカカゲ」の3つの「カ」のうち一つ目と二つ目はその破擦音+弱鼻音で音で言うと実は噛むことはなくなります。若隆景というしこ名を連続的な1語と捉えるのではなく、若と隆と景の三文字のつながりと捉えるのです。「ワカ」と「タカ」のカは語尾ですので破擦音+弱鼻音、「カゲ」は語頭なので鼻音的要素のない破擦音になります。
今場所のアナウンサーで私が提唱している方法で言っていたアナウンサーがいました。その方がずっと言いやすいし普通の速度で発音できます。若隆景というしこ名になると急にスピードを落として言うのは少し変です。スピードを落とさず全ての「カ」を鼻音的要素のない破擦音で言う力業はもっと変です。