リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

取材

2006年04月06日 22時14分16秒 | 音楽系
師匠のコンサートの取材をA新聞社に申し込みました。以前お世話になった記者さんの名刺がどっかに行ってしまって、名前がちょっとうろ覚えでしたが、なんとかなるだろうと、名古屋本社に電話をしました。かかったところは、あとでわかったんですが、見学などを申し込むところで何か機械的な感じで何かボツにされてしまうような感触。

「担当の人に伝えて起きますので、ファックスで資料を送ってください」
「あの、取材はしてもらえます?」
「そのときは連絡をいたします」
「取材をしてもらえるかどうかの連絡はいただけるんですよね?」
「大変失礼かと存じますが、連絡をもって取材するかどうかの返事とさせていただきます」

要するに、連絡がないときは取材しないということですが、確かに失礼ですね。(笑)
どうも電話に出られた方はあまり理解していないようで、アマチュアのコンサートかなんかと勘違いしているような。確かにリュートのホプキンソン・スミスって伝えたんだけどな。

「あの、文化部の担当の方はどなたですか。直接取材を申し込みたいんですが」
と、ねばって担当の方を教えていただき直接申し込むことに。ほっ。危うくボツにされるところでした。今席をはずしているので、1時間くらい後に連絡してほしいとのことでした。

1時間くらいたって担当のAさんに電話をしました。あらかじめファックス資料を送ってあったので、読んでもらっていました。さすがに芸能記者さん、ホプキンソン・スミスが世界的大家だということをご存じでした。リュートはマイナーな楽器なので知らない人はさっぱりしらないんですよねぇ。

Aさんの話では、A新聞も担当の人が減らされてしまって人員的に余裕がなくなったとのこと。前回私が自分のリサイタルの時に取材をお願いした女性の方は、転勤されたことでした。ということで電話で簡単に取材をしてもらうことになり、いろいろ話をしました。紙面は余裕がないそうですが、短い記事を書いていただくことになりめでたしめでたし。同じ新聞でもA新聞の読者がクラシック音楽に興味がある人が一番多いので、短い記事でも書いていただけると助かります。

バッハの音楽は

2006年04月05日 10時17分49秒 | 音楽系
今朝の日経新聞に1980年生まれのドイツ人ピアニスト、マルティン・シュタットフェルトのことが出ていました。2002年のバッハコンクール(ライプチヒ)で14年ぶりの一位を獲得した逸材だそうです。

彼は6歳からバッハを弾き続けその音楽に傾倒しているそうです。彼はなかなかいいことをいっています。「(バッハの音楽の)厳格さは一側面にすぎない。詩情やロマン、娯楽などを総合した宇宙のような作曲家だ」

うーん、若いのにうまいこといいますね。まさにその通り!世の中どうもバッハの厳格さばかり見ていて、だからバッハの音楽は数理的だとか楽譜の音だけを出すようにすることを心がけるべきだとかどうも見当違いの主張があふれています。

ある音楽関係の学会で、昔こんなことを言った方がいました。
「バッハの音楽にはクレシェンドは存在しない。フォルテとピアノしかない。なぜならば、楽譜にそのように書いてあるからだ」
確か、その意見に質問したような気がするのですが、(「それは当時の楽譜の棋譜上の慣例だから云々」ってね(笑))そんなはずはないって一蹴されたように記憶しています。まぁ、生意気そうな若造でしたからねぇ。確かにバッハの楽譜は表情関係の指示は全くないか、極めて簡素ではありますけどね。(笑)

件の学会で発表された某先生をはじめ、バッハはどうも誤解の多い作曲のような気がします。でもシュタットフェルトが言うように、本当に詩情あふれた表情豊かな音楽です。ロマンティックでもあり、宗教的な敬虔さもあり、娯楽性も多分にあります。誤解のそもそもの原因は、トッカータとフーガとメヌエットあたりから来ているかな?この2曲はバッハの作品の中では最も有名な2曲ですよね。

トッカータはナントカという替え歌をやるタレントが「タララー鼻から牛乳~」とかやったり、メヌエットは、昔シュープリムスがラヴァース・コンチェルトとして歌って以来もう一種のスタンダードですよね。でもこの2曲はバッハのものじゃないですよ、多分。メヌエットはもうはっきりしていて、バッハの同時代のペツォールトの作曲、トッカータとフーガはまだ確定していませんが、おそらく偽作でしょう。

バッハを本当に理解するには、生涯のうち一番長くすごしたライプチヒ時代に書かれたカンタータを聴くのが一番いいと思いますね。本当に美しいメロディにあふれた曲ばかりです。こんなエロスさえも包含する美しすぎる曲を教会の儀式に使ってもいいもんだろうかとすら思ってしまいます。じゃ、どれを聴いたらいいかって?そうですね、迷いますが(笑)カンタータ147番「心と口と行いと生き方は」で鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン版(BIS-CD-1031)を一押しとしましょう。曲よし、ソリストよし、オケよし、指揮よし、です。そういやほぼ同じソリスト陣で4月9日名古屋で同オケがマタイ受難曲をやりますよ。

旧世代

2006年04月04日 14時26分43秒 | 日々のこと
陽気もよくなってきたことだし、ひとつコンピュータでも作るかって感じで、以前に組もうと思っていたパーツを組むことにしました。

実は、バーゼルに行く前に当時の2番手くらいのパーツを集めて組もうと思って買い集めたんですが、時間が取れず、そのままにしてバーゼルに行ってしましました。翌年の夏に一時帰国したときに続きを作ろうかと思ったんですが、息子がコンピュータがほしいというので、その買い集めてあったパーツをいくつか使って一つ作りました。ええ、買い集めたものをそのままんま息子用にするなんてもったいないことはしません。でも、ケースは奮発して買った星野金属製のATX用の小型アルミケースを使ってしまいました。今思うと少しもったいなかったような・・・

バーゼルに戻るまでに何とか作ろうと思って少しまた不足したものを買い足して作り始めましたが、なぜかうまく動作せず(というか最初から電源が入らなかった)時間切れでバーゼルに戻ってしまいました。

昨年こちらに戻ってきたときは、もうさすがに3年も前の古いのを組むのが何となく意欲がわかず、ほったらかしに。そのうち、6年近く前に使った現役自作PCのハードディスクが不調になり、組み立て用に買ってあったものを流用。だんだん、バーツがはぎ取られていきました。(笑)

で、何を思ったか昨日急に作ってしまおうと思い立ちまして(陽気のせいかも)作り始めましたが、マザーボードにあった電源をつないでもウンともスンとも言いません。マニュアルを読んでみると、「注意!本マザーボードに古い規格の電源を差すと壊れます」とあります。えーーー!!では、1年半前に動かなかったのはそのせいで、実はマザーボードはもう壊れているのかも!

こういうときは、ツクモのお兄さんに聞いてみるのに限ります。さっそく電話。(マザーボードはそこで買ったので、「もしもし、少し前にお宅でマザーボードを買ったんですけどぉ・・・」って感じで電話です)

「あ、その場合ですね、私も同じようなことがしたことがありまして、マザーボードを壊したことがありますよ。CPUもメモリもいかれてしまいましたよ」
ってお兄さんはこともなげにおっしゃる・・・

ということは、もうすでにというか1年半前にマザーボード、CPU、メモリはだめになっていたのか。

「ハードディスクもいかれている可能性大ですよ。なにしろ一瞬ですから。ハハハ」

ということは要するに生きているのは光学系のドライブとケースだけ!!ガーン。もっともこれから接続しようとしていたビデオ関係のPCIカードはもちろん無事ですけど、大半がやられてしまったわけです。

3年近くコンピュータ自作界のことは知らずに(使っていただけです)いたら、恐ろしくいろいろ変化していてそのあたりの知識不足が原因でした。さっそく「日経WinPC」を買ってきて(買うのは約3年ぶり)読んでみましたが、何やら新しいインターフェイスの規格やら満載で過去の知識とつながりません。

私の知識では、845GEというチップセットは枯れたチップセットではあるけど、十分現役という感じがしているのですが、その雑誌には、「Intel 865PEという3年も前のチップセットを搭載しながら・・・」なんて書いてあり、愕然。(このあたり意味不明の人が多いと思いますが、要するに私が相当時代遅れということです)

過去のギャップは思っていたより大きい。(笑)これではいかん、(別にどうでもいいんですけど)と思い、ギャップを埋めるべく、WinPCを熟読することに。自作コンピュータに関しては、中古パーツを探すか、そこそこの新品パーツを買い足すか、贅を尽くしたものを作るか、今思案中。

サマータイム

2006年04月03日 14時30分30秒 | ローカルネタ
なんか今日の桑名地方はえらい風が吹いています。
ヒューヒューって音が聞こえていてまるで小さな台風並です。天気は晴れているんですけどね。

ヨーロッパやアメリカのいくつかの地域ではもうサマータイムが始まっていますが、去年はそういや、うっかりサマータイムになったのを忘れていたんでした。もうすっかり暖かくなり、近所のビニンゲンの畑を散歩していたら、教会の時計が自分の時計と1時間違うのでハタと気がつきました。

日本でサマータイム導入という声がちらほら聞こえてくるときがありますが、導入するのなら今くらいになるんですよね。でもこの時期の日本って年度替わりだし、そんな雰囲気ではない感じです。では5月からにしたらということになると、5月はじめはゴイールデンウィーク、絶対に乗り物の時間が混乱しますよね。では、6月は、となるとこのうっとーしい梅雨どきにそんなこと言うなよ、ってなるし。(笑)7月ではもう遅すぎますよね。よって、日本ではサマータイム導入は非常に難しいということに。

昨日は(笑)

2006年04月02日 21時51分28秒 | 日々のこと
昨日はエイプリルフールでしたが、昨日のネタはいかがでしたか?1年に一度のカマシです。(笑)
今回は、黄禹錫賽(ファン・ウソクサイ)教授の・・・ですぐわかってしまったと思いますが。(笑)

昨年は結構「話題」を呼びまして、日本のみならず国外の方からもレスやメイルをいただきました。あるリュート奏者なんかは5月頃にその情報が入ってきたらしく、6月に彼の家にいったら、「中川さん、あの新発見の曲のことを教えてくれる?僕も録音してみようと思ってるんだけど・・・」なんて聞かれたりしました。(笑)

でも本当に超腸Bのような天然素材で強力なガットができるといいですねぇ。先月末から使っているガット弦ですが、1コースは切れる以前の問題、振動不良弦で、(2本も買ったんですが・・・)張って4日目にナイロンに交換しました。

そんなに問題がなかった2弦も1週間で音程の狂いがひどく使用にたえなくなり、もう1本買ってあった新しいのに交換です。これははじめから見られたケバが原因でしょうが、2本目はどのくらいもつでしょうね。音自体は1コースに張られたナイロンと比べると、ダイナミックレンジが広く、また小さい音もクリアに響きます。これで2ヶ月くらいもってくれたらいうことないんですけどね。

3、4コースと6コースのオクターブに関しては今のところへたっていません。これらは十分に実用的だと思います。まだ新しく注文していた分は届いていませんが、3コース以下オールガット(プレーンガット+ガット銅巻き線)で案外いける可能性も。

でもこの方法が行けるようになったらなったで、弦代がかさむのでこれはこれで大変になりますねぇ。(笑)

新素材

2006年04月01日 11時24分58秒 | ウソ系
私のブラウザのRSSリーダーに興味深いニュースが入っていました。もうご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、ご紹介します。

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APO通信発
論文データねつ造で逮捕された韓国の黄禹錫賽(ファン・ウソクサイ)教授の研究グループがES細胞と遺伝子組み換えを応用して新しいビジネス。同教授は現在獄中であるが、教授なき研究グループが今までの成果を応用して、新しいビジネスを展開することになった。同グループは遺伝子組み換えを行った羊のES細胞から腸を作ることに成功した発表。この腸は「超腸」と呼ばれ、天然の羊の腸にくらべると非常に優れた特質を持っている。この超腸はA、B2つのタイプがあり、超腸Aは厚みがあり非常にしなやか、超腸Bは薄くしなやかな特質を保ちつつ非常にタフである特質を持つ。獄中の教授からのメッセージでは、超腸Aは主に食用、超腸Bはテニスのガット、ソーセージ、家族計画用のゴム製品などに大変安価に供給できるとのこと。同研究グループには、すでにドイツのソーセージ会社バイエルン・ブルスト、日本の焼き肉のタカイ、ミヅノ、オケモトなど数社から問い合わせが来ているとのこと。
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なるほど、超腸Aは新しいタイプのホルモン焼きに使えるわけですね。でも食用だから安全性はどうなんでしょう。このあたりは今後見守っていく必要がありそうです。
リュート弾きとして興味深いのは超腸Bですね。これって、当然ガット弦に応用できますね。ということは、非常に安価でかつタフなガット弦が!先月末からはっているガット弦ですが、もうちょっと待てば超腸Bを使ったガット弦を張れば天然素材なのに費用がかさまず、かつ切れないガット弦を使えたのに。(T_T)この超腸Bの開発は画期的で、クラシックギターやリュートの弦がナイロンなどの合成樹脂弦から超腸B弦に変わるのは時間の問題だと思います。いやー、製品化が今から楽しみですね。