小林一茶  <這え笑え二ツになるぞけさからは>

2024年02月22日 | 読書

天気予報は雪だったけど、朝方から雨がしとしとと。夜中から降っていたのかしら。
出勤時、庭の松が白く見えました。
雪ではなく、雨が凍っているのですね。
見渡せば木々が雨氷で、白いお花が咲いているみたいです。
これがこの時期本来の陽気なんですね。

昨日の信濃毎日新聞の斜面は、「小林一茶」から入りました。
あまりに有名な俳人です、長野県の方ですから特に親しみ深い方。

一茶は50歳で故郷に帰り、結婚。
長男は早死し、その2年後に娘を授かる。
その時の句が句文集「おらが春」にある。
<這え笑え二ッになるぞけさからは>
<たのもしやてんつるてんの初袷>
<子宝がきゃらきゃら笑うほた火かな>

生まれたら1歳と数えた時代、二ツは1歳の誕生日ということなのでしょう。
子が生まれた喜びで句が踊っているよう。
喜ぶ姿が生き生きと目に浮かぶよう。

その愛娘は満1歳で病死。
<露の世は露の世ながらさりながら>
と痛々しい。
その後3児をもうけたが、成長をみることはなかったという。

どれほどか悲しんだことだろう。

「斜面」はそこから、最近の子供への虐待にもっていっている。
引用
<よく知られる名著と名句をあえて引いたのは、人の心が疑わしく思えて来たから。親が、大人が、子どもをあやめる。そんな報道に接するたび、胸がふさがる。我が子のみならず、小さく弱きものに情を傾けた一茶。その優しさに触れれば、人間の命をいとおしむ心を信じられるだろうか>

教科書で習った句しか覚えていない私。ただその昔この人の伝記のような物は読んだことがある。
こんな句があることは知らなかった、ひどく胸を打たれたのでした。

愛おしい子育てができないのはなぜなのだろうか。
それぞれに背景も事情もあるだろうけれど、そうなる前に誰かに助けを求めて欲しい、それができる社会であってほしい。
お読みいただきありがとうございました。

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コメント (2)
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