大晦日の午後、お年取りの準備もほぼ終わり、炬燵にもぐりこんで新聞を広げた。
信濃毎日新聞の文化欄に月1度のペースで文芸評論家の加藤典洋さんが「楕円の思考」を寄せているらしい。
今までも読んでいただろうが、印象に残っていない。
が、今回「なるほど」と思ったのである。
先日の総選挙についてである。この方にとって今回は、国民経済の疲弊と原発事故の後処理のずさんさを見て、張本人の自民党と民主党にだけは「絶対入れない」と、今回の選挙か「懲罰選挙」だったと。
その結果ご自身の票は「死に票」となったと。(こんなふうに考えている方が多かったから)、戦後最低の投票率も十分想定内だったと。
私がなるほどと思ったのは氏がこの後、戦後24回の総選挙の動向を眺めた結論にあった。
敗戦後から1990年前後まで、大きく日本の「対立軸」は二つあった。60年までの第1期、反米愛国の時代は「アメリカにつくか、独立するか」である。
第2期、経済成長の時代に入ると「生活を豊かにするか、社会的公正を充実させるか」へと変わる。環境、男女差別、対米摩擦の調整などが広義の公正の中身である。
しかし91年以後の第3期、「失われた20年」の時代、この対立軸が見えなくなる。政治と社会、政党がそれを見つけられないまま浮遊を続け、原発事故を機にやみくもに再編に動いた。これが今回の選挙だった。
氏の考えによれば、90年代初頭のバルブ崩壊後、新しく生まれた事態とは、「国民」と「国」がともに足場を崩され、新たにひとつのパイを取り合う「対立関係」に入ったことである。
「国民の生活を守るか、国が国際競争を勝ち抜くか」
------------------------------------------------
ここまで読み進んで、なるほどと思ったのでした。60年代を生きてきた私にとって、氏の言っている1期2期3期の意味がよく理解できたのでした。
この後、氏は第3期以後の「国が」歩んできたことを分析し、中曽根さんや小泉さんの路線から、2009年の民主党、そして今回の選挙までの経過を示してくれたのである。
国民経済を強化して国際競争を生き抜く「国民」か、それとも国民経済を取り崩して国の経済の体質強化を目指す「国」か。
ここに新しい対立軸があるとみると今回の選挙も見えてくるらしい。
らしい・・・・とは、後半の氏の文章が自分の中でこなれていないのである。
この夏にはまた選挙がある。その時に自分が間違った判断をしたくないから・・・・と思っている。正月早々から難しいお話で恐縮です。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家
ブログランキングに参加しています。ポチっとお願いします。
ポチットお願い!
にほんブログ村 住まいブログ
信濃毎日新聞の文化欄に月1度のペースで文芸評論家の加藤典洋さんが「楕円の思考」を寄せているらしい。
今までも読んでいただろうが、印象に残っていない。
が、今回「なるほど」と思ったのである。
先日の総選挙についてである。この方にとって今回は、国民経済の疲弊と原発事故の後処理のずさんさを見て、張本人の自民党と民主党にだけは「絶対入れない」と、今回の選挙か「懲罰選挙」だったと。
その結果ご自身の票は「死に票」となったと。(こんなふうに考えている方が多かったから)、戦後最低の投票率も十分想定内だったと。
私がなるほどと思ったのは氏がこの後、戦後24回の総選挙の動向を眺めた結論にあった。
敗戦後から1990年前後まで、大きく日本の「対立軸」は二つあった。60年までの第1期、反米愛国の時代は「アメリカにつくか、独立するか」である。
第2期、経済成長の時代に入ると「生活を豊かにするか、社会的公正を充実させるか」へと変わる。環境、男女差別、対米摩擦の調整などが広義の公正の中身である。
しかし91年以後の第3期、「失われた20年」の時代、この対立軸が見えなくなる。政治と社会、政党がそれを見つけられないまま浮遊を続け、原発事故を機にやみくもに再編に動いた。これが今回の選挙だった。
氏の考えによれば、90年代初頭のバルブ崩壊後、新しく生まれた事態とは、「国民」と「国」がともに足場を崩され、新たにひとつのパイを取り合う「対立関係」に入ったことである。
「国民の生活を守るか、国が国際競争を勝ち抜くか」
------------------------------------------------
ここまで読み進んで、なるほどと思ったのでした。60年代を生きてきた私にとって、氏の言っている1期2期3期の意味がよく理解できたのでした。
この後、氏は第3期以後の「国が」歩んできたことを分析し、中曽根さんや小泉さんの路線から、2009年の民主党、そして今回の選挙までの経過を示してくれたのである。
国民経済を強化して国際競争を生き抜く「国民」か、それとも国民経済を取り崩して国の経済の体質強化を目指す「国」か。
ここに新しい対立軸があるとみると今回の選挙も見えてくるらしい。
らしい・・・・とは、後半の氏の文章が自分の中でこなれていないのである。
この夏にはまた選挙がある。その時に自分が間違った判断をしたくないから・・・・と思っている。正月早々から難しいお話で恐縮です。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家
ブログランキングに参加しています。ポチっとお願いします。
ポチットお願い!
にほんブログ村 住まいブログ