院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

車夫(人力車引き)たちのオリンピック

2012-08-05 06:35:06 | スポーツ
 明治時代に日本のどこかで徒競走だかマラソンだかをやった。そうしたら上位を占めるのはいつも車夫だった。そこで、その大会では車夫を排除することになった。

 車夫は走るのが仕事だから、そういう人が大会にでるのはズルいとされた。車夫ならトップを占めて当たり前だというわけである。

 このときから、車夫は走りのプロだと見なされて、アマチュアの大会に出てはいけなくなった。

 オリンピックのアマチュアリズムも、このような事情から出てきたものだろう。昔はオリンピックにはプロは出られなかった。

 それが最近、あやしくなってきた。どんな種目でも、プロが存在すればプロが出てもよくなった。

 プロでもアマチュアに負けることがある。それで、プロが出てもよくなったのだが、元来プロはアマチュアには負けてはいけないものだった。プロはアマチュアよりも圧倒的に強かった。

 囲碁将棋の世界を見よ。プロとアマチュアの間には深い川があって、それはアマチュアには渡れない川である。

 オリンピックにプロが出てもよくなったのは、各国が是が非でも勝ちたいと思うようになったからではない。プロが弱くなっただけだ。

 プロとアマの境界が曖昧になったのは、なにもスポーツに限ったことではない。流行歌の世界も映画の世界も同じである。アマがプロのような顔をして出ている。