院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

日本医師会とは何か?(3)

2012-12-07 05:26:40 | 医療
 日本医師会は自らを学術団体であると言い張っている。確かに良心的な機関誌や学術雑誌を刊行してはいる。しかし、それらは当然のことながら総花的で、普通の学術団体のそれより専門性が少なく、専門医の参考になるようなものではない。

 最近「社会保障制度審議会」という諮問会議が国会に設けられたが、日本医師会の代表はその委員になれなかった。理由は日本医師会は学術団体ではなく利益団体だと規定されたからだ。この指摘は正しい。日本医師会は反発したけれども、容れられなかった。

 日本医師会員の年会費は年間約30万円と高い。このお金が何に使われていうかというと、もちろん機関誌や医師会館、医師会専従職員の報酬などに充てられている。だが、それでも多過ぎる。

 実は会費の多くの部分は政治献金に使われているのである。

 日本医師会は別に日本医師連盟という政治組織をもっているが、会員はすべて医師会員で、日本医師会と日本医師連盟は一心同体である。日本医師連盟から政治献金が行われる。

 これまで日本医師会は伝統的に自民党を支持してきた。しかし、このたびの総選挙では方針が変わった。日本医師会の考えに同調的な議員を支持し、政党は問わなくなった。

 誰を(どの党を)支持するかはわれわれ末端の医師会員は知らない。上層部の考えに任せているのが実情だ。

 日本共産党は配下の生活協同組合に政治色がないように、日本保険医協会という政治色が見えにくい医師組織をもっている。だから、反自民で日本共産党に共鳴する医師は、こちらのほうの組織に入っている。

 私は政治組織としての医師会や保険医協会には興味がないから、実はどちらにも所属したくないのである。