院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

天才の種目依存性

2012-12-29 05:02:20 | 文化
 プロの碁打ちはたいてい将棋を指す。プロの将棋指しはやはり碁を打つ。しかも、碁打ちの将棋も、将棋指しの碁も相当に強い。だが、それぞれのプロにはかなわない。碁も将棋も両方ともプロ級という人はいないのだ。

 バイオリニストの五嶋みどりさんは、14歳でバーンスタイン指揮のニューヨークフィルと演奏して、弦が2度も切れたが臆することなく演奏を続けたことは、アメリカの学校の教科書に載っているそうだ。

 五嶋みどりさんは天才の名をほしいままにした。しかし、五嶋さんがピアノを習っていたら、ここまで大成しただろうか?五嶋さんはバイオリンという楽器があったから天才になれたのではないか?

 オリンピック選手もそうだ。背が高いことはバレーボールには有利だが、馬術では不利である。

 ゲームのルール、スポーツのルール、楽器の形状や演奏法。これらすべてに天才がいる。しかし、その天才はそれしかできない。

 たまたま自分に合ったルールや楽器があったから、彼らは天才になったとは言えないだろうか?別のルールや楽器が発明されたら、また別の人が天才になるだろう。