院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

データ保存媒体の耐久性

2014-08-05 00:01:27 | 技術

(ニコンF。Camera Fan より引用。)

 上のカメラは私が高校2年の時に買ってもらって、いまだに使用している往年の名機・ニコンFです。もう50年近く使っています。これまで一度も故障したことがありません。

 このカメラをもって歩くと、カメラ好きの人に珍しがられます。もはや、クラシックカメラなのですが、よく写ります。このカメラで撮ったフィルムは必ず銀塩で焼きつけられるので、保存性に信用が置けます。現在のデジカメのインクジェットプリントでは消えてしまう恐れがあります。そのため、まだこのカメラを手放すことができません。

 ところが最近、バカチョンデジカメを使っていて驚きました。デジカメのほうがフィルムカメラよりも解像度が高いのです。解像度とは細かいところまで写るかどうかで、人物の集合写真なら一人一人の顔が、フィルムよりデジカメのほうが鮮明に写るのです。

 これで、とうとう私はニコンFをお蔵にしなくてはなりません。ただ、写真のプリントは、まだインクジェットがどうしても信用できず、デジカメで撮った写真を、私はわざわざ銀塩で現像してもらっています。

 もっとも、ニコンFで撮ったむかしのサービスサイズ(フィルム現像とプリントを同時に頼むと安かった)は、すべて消えてしまいました。だから、デジカメデータを銀塩でプリントしたところで、また消えてしまうかもしれません。

 単純な媒体ほどデータがよく保存されています。紙より木、木より石のほうがよく残ります。江戸時代の紙の本はなくなっても、平安時代の木簡のほうが残っています。石がもっともよく残ることは、ピラミッドの文字を見れば明らかでしょう。

 現在、大量のデジタルデータが保管されていますが、デジタルデータは紙よりもっと残りにくいだろうと、私は考えています。

※今日、気にとまった短歌。

  背を丸め指を丸めて子ら二人見せ合ふ虫も丸まってをり  (三重・大紀)北村保