院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

湯河原一泊旅行

2014-08-10 12:01:14 | 食べ物
 旅行があまり好きでない私が旅行に行くのは、温泉や食事が楽しみだからではありません。ひとえに妻を食事作りから解放するためです。あとは、地元にいるより俳句が多く作れるくらいがメリットでしょうか。

 そのような次第で、先日、熱海近くの湯河原温泉へ一泊で行きました。


(宿の近くの竹林。)

    宿までは竹林を縫ふ径涼し  ひとし

 宿は、料理がうまいと旅行会社の人に勧められて、「海石榴」(つばき)というところに決めました。確かに食事が良かったです。部屋食で、しかも冷めないように料理が出てくるところは料亭と同じでした。朝食も部屋食で趣向が凝らされて、隙がありませんでした。


(旅館「海石榴」の玄関。「海石榴」を「つばき」と読ませるのは万葉集に由来するのだそうです。)

 先日、激賞した玉造温泉の「佳翠苑 皆美」(2014-05-10)と同程度の料理でした。ただ、宿賃が2倍以上だったので、ありがたみは玉造温泉に軍配が上がります。

 では昨年、探訪した「嵐山吉兆」(2013-08-15)と比べてどうかというと、タッチの差で「吉兆」の勝ちです。昨年の記事でも述べましたが、今回の宿「海石榴」や「つきぢ田村」が、「吉兆」に決定的にかなわないところは、ズバリ仲居の質ですね。

 「吉兆」の仲居は若い美人で、私の根っこをほじるような質問にも的確に応えることができました。先日、小さな子ども連れで「つきぢ田村」へ行きましたが、仲居はその辺のおばちゃんでした。したがって料理や酒の説明ができません。でも、幼な児を可愛がったりあやしたりしてくれるので、それはそれで良いんですけれどもね。(「つきぢ田村」は幼な児も断らず、きどらないところが売りでもあります。)

 ここ2年ほど、ちょっと奮発して高めの旅館に泊まってみたら、ちゃんとした料理を出す旅館は少ないが存在することが分かりました。30歳代前半に、下呂の有名旅館「水明館」で学生食堂のようなひどい料理を出されてから、私は旅館に敵意をもっていたのでした。

 2006-08-112012-08-24 の旅館批判は少し緩めなくてはならないでしょう。まともな料理人がいる旅館もあることを、この歳になって初めて知りました。

富士フィルム(株)の生き残り戦略

2014-08-10 05:23:33 | 技術

(富士フィルムのサプリメント。富士フィルムのHPより引用。)    

 次の川柳は先日の中日新聞に載った読者の作です。

    偽サプリ詐欺と言わない七不思議  稲垣宏

 今後「生産者の責任において」サプリでも野菜でも「効能」を謳ってよいことになりますから、ますます詐欺とは言わなくなるでしょう。

 富士フィルムはデジカメに押されて銀塩フィルムで稼ぐことができなくなりました。その時期に一致してサプリを売り始めましたから、フィルムの代わりの儲け口を求めたと勘ぐられても仕方がないでしょう。

 富士フィルムはもともと、まともな薬を売っていました。富士フィルム製薬部の薬理学研究者はサプリの発売に忸怩たる思いだと推察します。

 富士フィルムは、かつてASA感度400のフィルムを開発して、さくらフィルムを潰し、さらにコダックを追い落としました。今度はデジカメに追い落とされる番です。産業界の栄枯盛衰を見ていると、生存競争ってほんとに厳しいなと、つくづく思います。

註:サプリメントに少しでも薬理効果があると思っている人には、冒頭の川柳の面白さは分からないでしょう。サプリメントには精神的な効果はあるかも知れませんが、薬理効果はまったくありません。

参考:アリナミンEXゴールドの項目(2013-08-07