会社の方より、ヘアードライヤー2台共、全然動かないので修理で治らないか依頼が有った。新しい方の小型のドライヤーを分解、そしたら、110V/220V切り替え用の回転スイッチがバラバラに外れた。
見ると、固定接点が1箇所無くなっている(中央写真)。修理困難なので、代用品としてトグルスイッチが使えないか、回路を分析してみた。ACのホット側はサーモスタット経由でヒーター巻き始めに接続、巻き始め、巻き終わり、中間タップ、ACコールド側の4本がスイッチに入っており、可動接点の位置関係からして、AC220V入力時はヒーターがシリーズにつながり、AC110V入力時はヒーターが中点をコモンとしてパラ接続となる。モーターはDCブラシモーターを使用しており、巻き終わりと、そのすぐ前の巻き線部分からタップを引き出し、これをブリッジ整流している。モーター部分は以前、自宅のドライヤーを分解して理解していた。このスイッチのトグルスイッチへの置き換えは2回路用を使用すれば出来ることが判り、早速置き換え開始。これに使える小型のトグルスイッチはプリント基板用しか無い為、ユニバーサル基板をスイッチ実装溝に合わせて切断、スイッチは瞬間接着剤で固定後、配線を行った。ピッチが2.54mmと小さいので、正式にはめ込んでいたら、ショートさせてしまい、LOW/HIGH切り替え用の大電流ダイオード(10A位かな)がショートモードになってしまった。ちなみに、LOWの時はACがこのダイオードで半波整流され、エネルギーが半分になることを利用している。手持ちが無いので1000V/2Aのダイオードを5本パラ接続して代用。無事動作した。しかし、トグルスイッチの電流容量が小さいので、ドライヤーがOFFの状態で切り替える様、注意書きラベルを貼った。この様な電圧切り替えのタイプは初めて見た。海外旅行用で、普通の電圧変換アダプタだと容量的に全然使えないからだろう。別の用途としては、AC100Vで使用した場合、微風状態で使用出来る。
もう1台はプロ用に近い、大型のもので、本人はこちらの方が気に入っているとのこと。分解するとACコードが切れていた。以前にも修理してビニールテープを巻いた形跡がある。大分古いみたいで、ゴムの被服が、曲げているとひび割れてくる。代用のコードも無いので、危ないところはテープを巻き、コードは基板部分にはんだ付けし直しした。
以上、修理完了。