Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

二宮金次郎はまだ学んでいるのです

2015年08月21日 | 浜松・静岡
 天竜区龍山に残っている廃校になった小学校。校庭には雑草が生い茂り、平成21年から子供たちの声の聞こえなくなった小学校。少子化、限界集落が生む負の資産。
 校門を入って校舎の前に茂る木々を目をこらしてよく見ると、枯れ木を背負って本を読む二宮金次郎の像が立っている。たぶんほとんどの人が気が付かない。子どもも大人もいなくなった校舎の敷地には、まだ「一人」だけ彼が残って学問をし続ける。
 もう彼は「人」から「木」に変わりつつある。この地に根を張り、誰もいなくなった校舎を、まるで仁王像のように護り続けているようだ。いずれかはこの木々の中に埋もれていくであろう二宮金次郎。しかし彼がここにいる限り、ここは「学校」であり続ける。