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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

伝説のブラルアン

2018年03月26日 | バリ

  今回宿泊している場所から歩いて2,3分の距離にブラルアン集落の集会場(バレ・バンジャル)がある。実は、一部のバリのガムラン研究者にとってブラルアンというのは特別な場所なのだ。というのは、この集落のゴング・クビャルは、1920年代に製作された楽器で、ゴング・クビャルの歴史の中でも重要な楽器だからだ。北部で生まれたゴング・クビャルが南部に伝わり、最初期に作られた1セットである。ブラルアン集落と目と鼻の先には、バリ南部で最初に建てられたバリ・ホテルがあることから、このホテルで毎週のようにブラルアン村の演奏者は新しいゴング・クビャルで観光客のために演奏した。そういう意味では観光と芸能というキーワードでも重要な楽器なのである。
  この集落の寺院で周年祭があることから、ちょうどガムランと踊りの練習中に遭遇した。なんだかブラルアンと書かれた正面の文字を見るだけで背筋が伸びる。そのくらいに私にとっては緊張の場所だ。正直、演奏も踊りも決して上手とはいえなかったが(練習なんだから問題ない)、ブラルアンを間近に見れたいい機会を得た。
  戦前から戦後しばらくは観光の中心だったバリ・ホテルの周辺は、今やバリの人々の生活の地の中に完全に埋没し、観光地は他の地域に移っていった。それでもバリ・ホテルは今でも海外から来た観光客には忘れられたようにひっそりと建って(ホテルの名前は変わってしまったが)、今でも国内からの観光客を中心に営業は続けているし、すぐ近くのバリ博物館も昔の面影のまま開館している。そんなこの地域が私は今も大好きである。ちなみに私が宿泊しているのはこのホテルではない。まだまだ高級ホテルであり、1週間以上滞在する僕には高値の花である。