バりでは各県のガムランの競技会(コンテスト)に出場するグループが決定すると、バり芸術祭の中で行われる本選までの間に、プンビナアンとよばれる審査員によるご指導を賜る会が必ず開かれることになっている。お願いするのではなく、これを行わなければ本選に出ることができないのだ。この方法は30年以上前から続けられている。
この理由については書き出すととんでもなく長くなるのでブログでは省略するが、儀式的に行われるのではなく結構本気モードでいろいろ指摘するのだ。強弱、速度、振り付けなどいろいろな点で指摘が行われる。村のグループだと「井の中の蛙」になりがちなのだが、こうした指摘は的を得ているものも多いのだ。
この指摘はある意味、本選の順位にもつながっていくわけだが、これを受け取るか、受け取らないかはそのグループの自由である。「おれたちの村では違うんです」の一言で、指摘を無視することも可能である。今回の指摘もそういう地域のアイデンティティに触れるような指摘もあり、さて、演奏者たちはあと3か月、悩みながら練習して本選を迎えるのである。