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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

新車のお祓い

2007年11月13日 | バリ
 新車を買うと日本人でも信心深い人は「お祓い」をするらしい。京都の下賀茂神社、鎌倉の鶴岡八幡宮にいったとき、車のお祓い場所みたいなものがあったのを記憶している。さて、本日の車のお祓いの舞台はバリ。バリの人々が新車を買うと、ヒンドゥー教徒であれば規模の大小を問わず、ほぼ100パーセントの人々がお祓いを行う。しかも210日に一度、その車に供物を捧げ続けるのであり、人によっては毎日、供物を捧げ続ける者もいる。どんなところにも神が存在してしまうのがバリである。
 10月にバリに調査に行ったとき、大きなお寺の駐車場で新車のお祓いが行われていた。日本と違って、お祓いをする場所があるわけでもなく、ふつうの駐車場の一角である。白い衣装をまとった僧が祈りを捧げる中、供物担当の女性、そして親族がその様子を見守っている。たった今、荘厳な寺院を見てきたドイツ人観光客の一団は、駐車場でいったい何が行われているか不思議そうに眺めている。
 これで事故が絶対に起こらないならいいのだろうが、そこは交通事情無秩序なインドネシアである。こっちが気をつけていても相手が勝手につっこんでくるものだ。だからこそ、神の力が必要なのだ。つまり不可抗力を回避するためには、超自然的な力を借りる以外に方法はないのであるから。と考えると、交通事情が整備され、バリの事故率が低下していけば、車への儀礼も徐々に忘れられていくものなのだろうか? 


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