トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ハマシギ

2024-05-16 | 野鳥


日本全土で最も普通に見られるシギ
群飛しながら、一斉に反転するので群れが光って輝くように見える

旅鳥または冬鳥
干潟、河口、汽水湖、湿地、河川など生息域は広い
普通は群れで行動して、多い時は1000羽を超すという
水辺を歩き回りながら、せわしく泥の中や上をついばむ
貝類やゴカイ類などを捕る
淡水域でも、陸生貝類や甲殻類、ミミズ類、昆虫類の幼虫などをとる

雌雄同色
嘴は比較的長くやや下に曲がっている
夏羽では頭頂と上面は淡い茶色で黒斑がある
顔から胸は白っぽく、黒褐色の細い縦斑があり、腹は黒い
大きさ21cm

トウネン

2024-05-15 | 野鳥


スズメ程の大きさで、シギ類の中では最小の部類
江戸時代にはトウネゴ(当年子)と呼ばれ、その年生まれの子の意味で体が小さいことを示していた

旅鳥 4月後半から5月にかけて見られる
渡来数は多く、大きな群れが見られることがある
海岸の砂浜、干潟、河口、水田、湿地、などに居る
干潮時の干潟、休耕田の水深の浅い場所などで、嘴を下に向けたまま歩き回り、地表面の甲殻類や貝類、昆虫類の幼虫などをとる

雌雄ほぼ同色
嘴は黒色で比較的太く、やや短い
足は黒い
夏羽では、顔から首にかけて赤褐色になる
大きさは15cm

オオソリハシシギ

2024-05-14 | 野鳥


嘴が少し上に反っている鴫
ソリハシシギ(23cm)よりかなり大きい

旅鳥、4~5月に見られる
場所によって春秋どちらにも渡来するところと、春又は秋のみに渡来するところがある
主に干潟、入り江、河口に居る
ゴカイ類が好きで長い嘴を穴に差し込んで捕る
甲殻類、貝類、昆虫類なども捕る
捕ったエサを洗うことをする

長くやや上に反った嘴、黒色で比較的短い脚
夏羽オスの上面は黒い軸斑と赤褐色の羽縁、白い斑点が複雑な模様を作る
顔から腹にかけて赤褐色になる
メスは全体にオスより淡色で大きい
大きさ40cm

ダイゼン

2024-05-13 | 野鳥


ダイゼン(大膳)は宮中の宴会料理の事
肉が美味しく、昔はよく膳に供された
チドリの仲間(チドリ科)の鳥

旅鳥として全国に渡来する
干潟、砂浜、河口などに居て、淡水域にはほとんど出ない
干潟などを走ったり立ち止まったりしながら、地表を突きながら採食する
特にゴカイを好み、穴に嘴を突っ込み上手に引っ張り出す
他に甲殻類、昆虫類なども食べる

雌雄同色
夏羽では、顔から前頸、胸、腹にかけて黒い
上面は白と黒の斑があり、冬羽は灰色味が強く、下面の黒色はない
ビューイと尻上がりの声で鳴く
大きさ29cm

アカアシシギ

2024-05-12 | 野鳥


シギは旅鳥が多いが、アカアシシギは北海道でわずかに繁殖している
日本版レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類

旅鳥
北海道東部の湿原で繁殖する他は、数少ない旅鳥で沖縄以外では稀な鳥
湿地、水田、干潟などに居る
浅い水辺などにいて、水中を歩き回って昆虫類の幼虫、甲殻類、小魚などを食べる

雌雄同色
背、腰、次列風切りは白い
赤い脚と、赤い嘴が特徴的
夏羽では頭上から体の上面が灰褐色で、下面は白い
鳴き声は、ピーチョイチョイと一声づつ区切った澄んだ声で鳴く
大きさは28cm


ミゾゴイ

2024-05-11 | 野鳥


薄暗い林の中に居たミゾゴイ(溝五位)
ミゾゴイは、溝のゴイサギの意味、溝は水辺、特に田に水を引く場所を指す
学名の種小名がgoisagiとなっている
19世紀オランダの動物学者テミングがゴイサギと間違えて命名した

夏鳥
丘陵や低山の良く茂った林などに居る
常緑広葉樹やスギの植林など暗い林を好み、明るい水辺や草原には出ない
夕方になると休憩場所から採餌場へ飛び、主にサワガニ、カエル、魚類などを食べる

雌雄同色
全体に焦げ茶色っぽく見える
体は栗褐色、頭部は褐色、下面は縦じま模様で中央に黒い縦斑がある
大きさは49cm

ムサシノキスゲ

2024-05-10 | 樹木 草花


東京西部の浅間山に自生しているムサシノキスゲ
自生地はこの場所のみ
ニッコウキスゲの変異品と言われている

ムサシノキスゲ:
ニッコウキスゲと比べて、花弁や葉が細い
花期は5月で、ニッコウキスゲの7~8月よりかなり早い

ニッコウキスゲ:
和名はゼンテイカ(禅庭花)で、中禅寺の庭の花と言う意味
山地や亜高山の草原や海岸などに群生する多年草

葉は長さ60~70cm程
花茎は60~80cmで、茎頂に花序を付け数個の花を咲かせる
花は柄があり、花被片は7cm程で橙黄色~濃黄色
花は朝開花して夕方に閉じる

セリバヒエンソウ

2024-05-09 | 樹木 草花


セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)は、セリのような葉、ツバメが飛んでいるような花の形から付いた名前

キンポウゲ科の一年草
中国原産で明治時代に渡来し、東京を中心に分布している
小石川植物園からの逸出帰化種

茎や葉柄には細網が密生している
茎には稜があり赤味を帯びている
葉は3裂片の2回羽状複葉、無毛で柔らかい

花期は4~5月
茎の先に総状花序を出し、長い柄の有る2cm程の淡紫色の花を付ける
外側の花弁に見える萼が5個有り、内3個が後ろに突き出され筒状の距となる
その中に本来の花弁2個と、花弁状の退化した雄しべが2個有る
萼の内側に雄しべが約10ある
果実は船形で3個あり、熟すと裂けて数個の種子を出す

有毒植物だが、全草リュウマチ、痒み、出来物などに使われる

ウマノアシガタ

2024-05-08 | 樹木 草花


ウマノアシガタ(馬の脚形)が一面に広がっていた
ウマノアシガタの名は、根生葉の形が馬のヒヅメに似ていることか付いた
別名キンポウゲは、本来ウマノアシガタの八重咲のものを指した

キンポウゲ科の日当たりの良い所に生える多年草
高さは30~70cmになる
茎や葉柄には白い開出毛が多い
根生葉は長い柄があり、掌状に3~5裂し、裂片はさらに浅く裂ける

花期は4~5月
2cm程の黄色く光沢のある花弁を咲かせる
強い光沢は、花弁がでんぷん粒を含み、表面にクチクラがあるため
果実はそう果の集まった集合果で5mm程のほぼ球形、そう果は約2mmで短い花柱が残りやがて曲短い

オオハンゲ

2024-05-07 | 樹木 草花


釣り糸のような糸状の長い付属体が伸びているオオハンゲ

サトイモ科の常緑林内に生える多年草
葉は3深裂する単葉で、裂片は広卵形で長さ10~20cm

花は6~8月に咲く
花茎は高さ20~50cmになり葉とほぼ同じ高さ
仏炎苞があり、長さ10cmほど
仏炎苞の中は、下部内壁の一方に雌花序が付き、少し離れた上側に雄花序、続いて付属体が付く
付属体は糸状で20cmほど、直立して苞から突き出ている

苞の中


ギンランとササバギンラン

2024-05-06 | 樹木 草花


左がギンランで、右がササバギンラン
葉(苞葉)が花と同じか長くササの葉を思わせるものをササバギンランと言う
ギンランは、花が黄色の金襴に対して、花が白色なので付けられた

山野の林内に生える多年草
ギンラン:
高さ20~40cm程で、キンラン、ササバギンランより全体に小ぶり
葉は3~8cmの長楕円形、基部は軽く茎を抱く
花は5~6月に咲き、白色で半開きのまま終わる
唇弁は3裂し、中裂片は幅の広い楕円形で短く尖る
側花弁は広披針形で、萼片よりやや短い

ササバギンラン:
高さ30~50cm程
茎の稜上、葉の裏や縁、花序、子房に白い短毛状の突起が有り、無毛のギンランとは区別できる
又、下部の苞は葉状で長く、花序と同等かより長い
葉は長さ7~15cmの狭長楕円形で先は鋭く尖り、脈はしわ状に隆起する
花は5~6月に咲き、白色でキンランより小さい
唇弁は3裂し、中裂片は心形をしている

キンラン

2024-05-05 | 樹木 草花


鮮やかな黄色い花を付けるのでキンランと言う
ラン科植物は世界で35000種あると言われている
花は多くが左右対称で、萼片(外花被片)3個と花弁(内花被片)3個がある
花弁のうち中央の1個は両側の2個と比べて、大きさも異なるので唇弁と呼ばれている

キンラン:
絶滅危惧種
山地や丘陵の林に生える多年草
茎は高さ30~70cmになる
葉は互生し、粗いしわの有る長楕円形で基部は茎を抱く

花は4~6月に咲く
茎頂に総状花序を出し、1cm程の半開きの黄色花を付ける
唇弁は3裂し、内側に黄褐色の隆起があり、短い距を持つ
側裂片は三角状で内側に巻き、ずい柱を抱く
子房は下位で細長く、花柄のように見える

ムギワラトンボ

2024-05-04 | 虫類


都市の公園や河川など多様な環境に生息するポピュラーなトンボ
ケッコウ貪欲で、他のトンボを食べることもある
4~10月にかけて見られる

羽化してすぐの未熟時は黄褐色の体に黒色の斑紋がある中型(全長5cm程)のトンボ
成熟するとオスは黒化し、胸や腹背面が白粉で覆われる
この色模様が名前の由来になっている
メスは俗にいうムギワラ色だが、成熟では脱色したような色調になる

交尾の後、メスは単独で打水産卵を行うが、この時オスは近くで他のオスからメスを守っている

アカスジキンカメムシ

2024-05-03 | 虫類


アカスジキンカメムシの終齢幼虫が居た

越冬が終わってノコノコ出てきたところのようだ
終齢幼虫で越冬して5月頃に成虫になる
幼虫も濃い茶色と白のツートンカラーで綺麗な色だが、成虫は金緑色や赤桃色の帯状の模様で美しい
歩く宝石とまで言われている

樹林に生活し、コナラ、フジ、ミズキ、エゴノキなどの落葉広葉樹
ヒサカキ、ツバキ、アオキなどの常緑広葉樹、スギ、ヒノキなどの針葉樹で見つかり広く分布している

成虫(5月末のもの)



アジアイトトンボ

2024-05-02 | 虫類


アシの葉に止まってアジアイトトンボが交尾中
上の青い個体がオスで下の赤い方がメス
雄と雌では体の色が随分違う

イトトンボの仲間でアオモンイトトボ属のトンボ
この属の中ではもっとも小さくて華奢
アオモンイトトンボに似ているが、アジアイトトンボは第9腹節背面が青く、アオモンイトトンボは第8腹節背面が青い
大きさは3cm程

市街地の池や里山の池周辺など各所で見られる
出現時期は4~11月
成熟したオスは水辺で縄張りを張って、メスを待つ
交尾は長く、その後メスは単独で水辺の植物組織内に卵を産む