(1)子ども手当の支給が始まった。中学生以下の子ども一人当たり月13,000円(マ
ニフェストによると来年度以降は満額26,000円での支給予定)支給を受けた親から聞
こえるのは、貰うのはうれしいが、これで本当に国(の予算)は大丈夫なのか、といった疑
心暗鬼の同情論。
民主党政権政治の、政治を変えようという、よりどりみどりの政策にスキーム(scheme)
実施工程表、財源がともなわない、示せない未成熟政治を端的に言い表している。
(2)首相が退陣する。昨日の首相。いつものよう、朝の公邸前の記者会見では、3月以来
お馴染の固い無表情で目は一点を見ているようで宙を舞う表情のまま、口てい疫視察で
宮崎県に向かい、これもお馴染になった自信なさげ(あるいは首相らしからぬ謙虚)な態度
で関係者と会談。
(3)ところが、午後、東京に戻ってから、これが一変する。夕方、招待された医師会のパ
ーティに向かう首相からは、昨年の政権交代を果たした高揚感溢れる時のような余裕感と
笑みを浮かべた表情で、目にも力強さがそなわっていた。(テレビ映像)
午前の宮崎県訪問までが前日までに決められた公式行事。パーティーのあとの午後6時
からは、幹事長との政局がらみの会談がセットされていた。この時まではメディアはさかん
に首相続投に強い意欲を伝えていた。
結果論ではなく、私はこの時(東京に戻ったあとの午後)すでに首相は退陣を決め、スッ
キリと重圧から解放された心模様の映りを感じとっていた。
午後6時からの幹事長との会談も継続となり、会談室を出る首相の記者からの呼びかけ
に、笑みと親指を立てる仕草で応え、これが続投意欲に拍車をかける。
(4)今日、首相は政治とカネ、政局混迷による内閣、党支持率下落の責任をとるため、幹
事長道連れに退陣することを表明した。
(5)政権交代から8か月、民主党政治の基盤が否定されたとは思わない。ただし、民主党
政権政治は、いまだ冒頭の「貰ってうれしいけれど、これで本当に国は大丈夫なのか」とい
った、国民からは疑心暗鬼の同情政治レベルでしかないのも確かだ。
首相についてはいづれ総括する時もくるが、メディアを通して見る限り、総じて、育ちの
よさの軽さと、裏表のない率直さ(simple)、八方美人的ひとのよさが、あとひとつ重要な
パーソナリティがないばかりにニュースタイルの政治家向きではなかったというところか。
(6)首相のパーソナリティのどれも人として大切な要素だ。ただひとつ、理念(theory)、
信念(belief)を貫く「意志の強さ」の不足だ。皮肉なことにリーダーシップに最も必要な
要素の欠如。これがあれば、軽い定まらないと言われた「言葉」も当然違って出てくる。
就任時に、理系出身者(physical science graduate)の首相と言われた。大学教員の
前歴もある。
実証学、実証理論的裏付けが基本の理論構成が、多様な価値観、イズムの共存する
政治の世界では、政治判断を固く拘束したのかもしれない。パラドックス(paradox)に、
それも信念といえば信念だったのかもしれない。
「国民に聞く耳がなくなった」という退陣会見での言葉が印象的であった。言うことと、
やることの違いの必然を、最後に見事に解説してみせた。
ニフェストによると来年度以降は満額26,000円での支給予定)支給を受けた親から聞
こえるのは、貰うのはうれしいが、これで本当に国(の予算)は大丈夫なのか、といった疑
心暗鬼の同情論。
民主党政権政治の、政治を変えようという、よりどりみどりの政策にスキーム(scheme)
実施工程表、財源がともなわない、示せない未成熟政治を端的に言い表している。
(2)首相が退陣する。昨日の首相。いつものよう、朝の公邸前の記者会見では、3月以来
お馴染の固い無表情で目は一点を見ているようで宙を舞う表情のまま、口てい疫視察で
宮崎県に向かい、これもお馴染になった自信なさげ(あるいは首相らしからぬ謙虚)な態度
で関係者と会談。
(3)ところが、午後、東京に戻ってから、これが一変する。夕方、招待された医師会のパ
ーティに向かう首相からは、昨年の政権交代を果たした高揚感溢れる時のような余裕感と
笑みを浮かべた表情で、目にも力強さがそなわっていた。(テレビ映像)
午前の宮崎県訪問までが前日までに決められた公式行事。パーティーのあとの午後6時
からは、幹事長との政局がらみの会談がセットされていた。この時まではメディアはさかん
に首相続投に強い意欲を伝えていた。
結果論ではなく、私はこの時(東京に戻ったあとの午後)すでに首相は退陣を決め、スッ
キリと重圧から解放された心模様の映りを感じとっていた。
午後6時からの幹事長との会談も継続となり、会談室を出る首相の記者からの呼びかけ
に、笑みと親指を立てる仕草で応え、これが続投意欲に拍車をかける。
(4)今日、首相は政治とカネ、政局混迷による内閣、党支持率下落の責任をとるため、幹
事長道連れに退陣することを表明した。
(5)政権交代から8か月、民主党政治の基盤が否定されたとは思わない。ただし、民主党
政権政治は、いまだ冒頭の「貰ってうれしいけれど、これで本当に国は大丈夫なのか」とい
った、国民からは疑心暗鬼の同情政治レベルでしかないのも確かだ。
首相についてはいづれ総括する時もくるが、メディアを通して見る限り、総じて、育ちの
よさの軽さと、裏表のない率直さ(simple)、八方美人的ひとのよさが、あとひとつ重要な
パーソナリティがないばかりにニュースタイルの政治家向きではなかったというところか。
(6)首相のパーソナリティのどれも人として大切な要素だ。ただひとつ、理念(theory)、
信念(belief)を貫く「意志の強さ」の不足だ。皮肉なことにリーダーシップに最も必要な
要素の欠如。これがあれば、軽い定まらないと言われた「言葉」も当然違って出てくる。
就任時に、理系出身者(physical science graduate)の首相と言われた。大学教員の
前歴もある。
実証学、実証理論的裏付けが基本の理論構成が、多様な価値観、イズムの共存する
政治の世界では、政治判断を固く拘束したのかもしれない。パラドックス(paradox)に、
それも信念といえば信念だったのかもしれない。
「国民に聞く耳がなくなった」という退陣会見での言葉が印象的であった。言うことと、
やることの違いの必然を、最後に見事に解説してみせた。