いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

不確実性の実力。  ability of uncertainty

2010-06-07 19:25:46 | 日記
 (1)ゴルフ。男子10代の賞金王が、18ホール58ストローク(stroke)という驚異的
なスコアを記録して優勝するかと思えば、次週のラウンドではあっけなく予選落ちもする。

 (2)テニス。世界ランクのひとけた上位のプレーヤーが、ランク三桁の無名のプレーヤー
になすすべもなく敗退するプレーを目にする。

 トッププレーヤーでもスケジュールの影響でコンディショニングを調整するむづかしさと
ともに、コンスタントに実力を発揮できない実力とは何か。心理作用の占める割合、要素が
大きい分野のスポーツの中での実力。

 (3)ゴルフ競技は、一日18ホール丘陵地帯を移動しながら、さして全身機能を使った過
激(ひねり、回転はあるが)な運動量はなく、フィジカル・ストレンジ(physical strength)
では持久力と集中力が必要なスポーツ。
 小さいボールを回転で距離と方向を定めて遠くへ飛ばす「不確実性(uncertainty)」と
難解な傾斜角度(line)を読んで、これ又小さいホールに運ぶ「繊細さ(sensitive)」メンタル
作用の影響力も大きい心理(作用)スポーツ。

 メンタルコントロールがむづかしく、心的作用の「乗る」と力以上の実力を発揮するし、
パラドックス(paradox)として「切れ」ると回復に時間がかかる心理スポーツでは、基本
的に高いスキルはあってもそれをコントロールする心理作用の「不確実性」で、実力という
ものは存在しない。

 (4)テニス競技は、世界ランク上位ともなれば数百キロ近いサーブを有して、ほとんどサ
ーブコントロールがゲームを支配する。仮に、サーブエリアがコート全面どこにでも自由に
となれば、テニスは競技として存在しない。サーブの打ち合いだけというシンプルなものに
なる。

 数百キロに近いスピードサーブをコートのネット側4分の1のサーブエリアに入れるとい
う確率、能力の「不確実性」が、ゲームを支配して、「繊細さ(sensitive)」、集中力がゲー
ムコントロールに影響する心理スポーツ。

 (5)それぞれランクがあるから、ランク上位者は勝利する確率は高く、相応の高いスキル
は有している。高いスキルをコンスタントに勝利に結びつけるツール(tool)としての心的、
心理作用が不確実性のあるものだから、安定(constant)した実力というものは心理スポ
ーツには存在せずに、思わぬ両極の結果を見ることになる。

 (6)将棋、囲碁。名人位のようにタイトル戦になると、二日連続で長時間座り続け何十手、
何百手先の展開を「読ん」で脳内作用をフルに活動する。
 脳内での作用、イメージづくりが基本の戦略競技のため、外的要因に影響を受ける比率が
少なくて(すぐ自分の世界に入れる、立ち返れる)心理コントロールの効く確実性の高い競
技。

 戦法とか戦型とかのスキル戦略以上に、展開に合わせた「読み」が競技を支配する、つま
り不確実性の少ない実力がここでは見える。
 この分野の競技では、番狂わせというのがほとんど(あるいは、まったく)なく、したがって
実力ランクが相応者の中(リーグ)での競技が基本スタイル。

 (7)実力とは、心理作用がコントロール出来る環境の中で、脳内作用、イメージがつくりだ
すスキルの確実性のことだ。

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