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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

あわてない。イマジネーション・サッカー。 remain calm

2010-06-25 19:34:47 | 日記
 (1)日本代表の「あわてない」厚みを持った包囲戦略(enveloping strategy)が勝利を引
き寄せた。日本に対するオランダ代表の「絶対に負けない」戦略が手本だった。
 ワールド杯サッカー南アフリカ大会第15日。日本対デンマーク。1次リーグ突破のため
に「絶対に勝つ」戦略のデンマークに対して、「絶対に負けない」戦略の日本が「あわてない」
厚みをもった攻守で、世界ランク上位のデンマーク代表に勝利した。

 (2)「絶対に勝つ」戦略と「絶対に負けない」戦略とは、結果としては同じように見える
けれど(もちろん、引き分けなど狙ってできるものでもなく)、相手のインゴール・シュー
トコースを防ぐ理論的なディフェンスと、ゆったりとあわてない包囲するオフェンスの厚み
をもった攻守の「あわてない」余力、圧力(pressure)が「絶対に負けない」戦略だ。

 (3)日本代表(平均身長178センチ)にとって苦手のタイプの身長の高いチームのひと
つのデンマーク代表(同185センチ)。かっては、中近東、オーストラリアの長身プレー
ヤーに終盤の大事な局面でコーナーキックからのセットプレーにヘッドで合わせられて
決定的なゴールを許してきた。

 (4)今大会では、守備的なMF(アンカー)をディフェンダーの前にひとりセットしてのデ
ィフェンス強化に、ディフェンダー中央に中沢、闘莉王の長身プレーヤーを2人セットして
のディフェンスが機能した。

 (5)前半、17分。右サイド30メートルからの日本のフリーキック。本田(MF)は左足で
蹴る。通常、左足キックは右カーブを描く。これを予測してゴールキーパーは一瞬、左サイ
ドに体重を移動する。本田(MF)の左足キックボールは、逆の左に切れるシンカー(sinker)
軌道で、咄嗟(とっさ)に切り替えて右に飛びつくキーパーの指先を抜けて、ボールはゴー
ル左すみに吸い込まれた。(1点目)
 この時、オランダの高い壁のディフェンスの間に入った長谷部((MF)のところが本田(FW)
のシュート・コースだった。本田のイマジネーションのゴールだ。
 本田(MF)は勝利インタビューで「キーパーが反対に動いてくれたので」と言っているが、
求められていた本田(MF)の「イマジネーション」のゴールだ。

 (6)前半、30分。デンマークゴール正面の中央20メートルからの日本のフリーキック。
遠藤(MF)の右足からのキックボールは、ゴール前に高い壁をつくるデンマーク・ディ
フェンダーの右上を左にカーブを描いて、ゴール右スミに吸い込まれる。
 フリーキックの瞬間、ゴールポストの外右側に出てからカーブを描いてゴール右スミに
吸い込まれた。典型的な精度の高い右キックのゴールだった。(2点目)

 (7)後半36分にペナルティエリアの日本の反則で、デンマークにペナルティキックのチ
ャンス。反応よく右に飛びついた川島(GK)の手からはじかれたボールを詰めていたデン
マークキッカーに押し込められた。(1失点)

 (8)後半、42分。本田(FW)がディフェンダーをかわして、デンマークゴール左外にド
リブルで流れて、相手キーパーを引き寄せてフェイントをかけて左足でボールを切り返
して、ゴール中央正面に詰めていた岡崎(MF)にトスして、岡崎(MF)はゴール中央に
左足でボールで流し込む。(3点目)またも本田(MF)のイマジネーションプレーだ。

 後半は、「絶対に勝つ」しかないデンマークが早々に川島(GK)と接触しての中央突破プ
レーや34分に日本ゴールのクロスバー直撃のシートもあって粘ったが、日本ディフェンダ
ーがインゴール・コースを守って、「あわてない」ディフェンスで守りきった。

 日本イレブンの「あわてない」厚みをもった包囲戦略と本田(FW)のイマジネーションの
勝利(3対1)だった。
 この日の、この試合が日本サッカーのあらたな歴史的スタートとして語り継がれる「日」
がくるだろう。

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