いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

財源と消費税。 financial resources & consumption tax

2011-01-06 20:08:13 | 日記
 (1)新年が明けて国会は11年度予算案の本格審議が始まる。今年は、始まると言っても
「政治とカネ」の問題で元幹事長の政倫審出席時期を巡って国会召集時期も決まらない。
 国会は衆参ねじれ状態で予算審議もとても順当には進まないことは確実で、なおさら新年
度を控えての日程、会期の確保が思いやられる。

 11年度予算は、法人、企業には甘く、消費者、家庭には厳しい編成となり、総額92兆円
の50%近くが国債発行(借金)に頼る赤字財政が続く。埋蔵金と言われる使途目的が限定
された特別会計からの剰余金を流用して何とか急場しのぎの体裁は取りつくろった予算だ。
 これで累積赤字が890兆円を超えて、先進国ではダントツのインバランス(imbalance)財政
を増殖している。

 「誰がこんな国家財政にしたのか、問題はどこにあったのか」、放置してきた論議、検証もな
いまま、しかし来年度に向けては税収の伸びも期待できるまでに回復することは困難で、財
源不足(shortage of financial resources)は大きな政治課題として緊急な対応、見通しが求
められる。
 日本は依然として諸外国からはこれでも治安の良さ、生活文化の高さ、先端的技術力の高
さなどで好感をもって評価され信頼度も高くて、外国からの国債の引き受けもありすぐに国家
財政が破たんという訳ではないが、緊急避難をいつまでもとはいかない。

 (2)ムダ削減も歯が立たない、20年には65才以上が総人口の40%を占めて税収不足の
右肩下がりは先も見えて、国民生活レベル、行政サービスを下げることも時代錯誤となり、
政府が検討しているのが税制改正による消費税増税(consumption tax increase)だ。

 消費税論議も取り方、納め方にもいろいろあり、具体的な政府の基本的な考え方も分から
ないまま、世論調査では賛成、反対がほぼ拮抗している。国家財政の危機は、子ども手当
支給に対する懸念にも見られるように国民には浸透している。

 政府として①財源不足政策、対策の「やるべき事」すべてやった上での、②消費税増税論
議、具体的な提案、財政見通しを示すべきだ。消費税増税(財源不足)に国民の関心が拮抗
している内に、財政健全化へのグランドデザインを開示して国民に判断を求めるべきだ。

 (3)消費税は、基本的には取る方、取り方はすべて消費者に公平に同じ負担を求めるもの
だが、支払う側の生活環境は千差万別で同じ負担では公平とは言えない。税負担は「公平
感」が最も大切な観念だ。
 生活必需品は除外するとかすれば増税効果にブレーキがかかる。物価のスライド制に対応
すれば、徴収方法が複雑になって購買力を抑えることにもなる。
 まして、高年令化社会を迎えて公的年金は物価スライド制で変動する(来年度支給額は引
き下げ)ことが法律で定められて、高年令者の生活を圧迫する。収入差による徴収区別も煩
雑にするだけだ。

 時限立法にでもして、一定年数をターゲットに集中効果をはかるのか。同時に納める側の企
業、商店にも特例など設けない公平感が求められる。

 (4)その前提として、国、政府、地方組織(議員、職員含む)改編(ヒト・カネ・モノ)の効率化、
行政サービスの見直しなど、恒常的、普遍的な財政再建化の理論構成で累積的効果につな
げることだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする