(1)法治国家(constitutional state)というのは、健全な民主主義国家の代名詞のよう
に使われる。専制国家であれ独裁国家であれ自由国家であれどこの国でもある「法律」が、
公平で公正で透明性の高い国を「法治国家」として自認してきた。
政府は、一党独裁国との国体、国家比較で日本は法治国家として国民主権のもとに、法
律が社会のパラダイム(paradigm)となっていることを外交の基準としてきた。
(2)尖閣諸島沖中国漁船衝突事件では、ビデオ映像で犯罪性は立証できる(外務大臣)と
しながらも、政府の見解によると「検察の判断で処分保留のまま中国漁船長釈放」とした。
一方、その後国民に外交上の不手際を隠しとおす政府の意図が見えるビデオ非公開に反
発して、ビデオ映像をネットを通じて流出させた海保庁職員(当時)を前官房長官主導で公務
員法(守秘義務)違反で起訴しながら、すでに釈放した中国漁船長とあわせて地検は両者を
不起訴処分とした。
政権自らが招いた「自己矛盾(self contradiction)」のあげくの、両者のバランスをとらざる
を得なくなった法治国家にあるまじき結果だ。
(3)ビデオ流出事件では、ビデオの機密性に疑問もあった中で、国会も国民にも公開すべき
との強い要望もあった中で、事実が白日のものとなって外交上の不手際が明らかになるのを
避ける意図が見える前官房長官の強制的主導で法的責任を問うことになったものだ。
外務大臣の言う「犯罪性は立証」できる映像で日本が他国関係者から受けた不利益が明
らかなデータを事実関係の公平で公正な証明のために情報公開するのは、安全と生命にか
かわる国民の知る権利のためには日本の国益だ。
一公務員(海保庁)が入手「できた」この類いのビデオ映像を、所定の事務手続きを得ない
で公開したことは、事務組織上の規律違反ということだ。
法治国家としての「法律」が、統治する政府(官房長官)の都合で「適用」が操作されること
があっては、公平で公正で透明性のある法治国家とは異質なものだ。
(4)今回の尖閣諸島沖事件の外交、法的対応には不合理が際立った。当の元海保庁職員
は確信犯でありながら起訴段階では自分の行為を社会に深々と謝罪しながら、不起訴処分
で自分の行為の正当性(あるいは整合性)を主張する機会をなくしたことに不満を示して(報
道)いるという。都合のいい自己矛盾の論理で、行動、態度との整合性が見られない。
政府も元海保庁職員も公平で公正な法治国家にはあるまじき自己中心、保身主義
(egocentrism)の自己矛盾の世界であった。
(5)国体、国家のパラダイムとなるべき外交、法律での政府の右往左往、無力感には危機
を覚える。そのせいか、首相は、民主党政権のテーゼであった「政治主導」を「反省」した。
に使われる。専制国家であれ独裁国家であれ自由国家であれどこの国でもある「法律」が、
公平で公正で透明性の高い国を「法治国家」として自認してきた。
政府は、一党独裁国との国体、国家比較で日本は法治国家として国民主権のもとに、法
律が社会のパラダイム(paradigm)となっていることを外交の基準としてきた。
(2)尖閣諸島沖中国漁船衝突事件では、ビデオ映像で犯罪性は立証できる(外務大臣)と
しながらも、政府の見解によると「検察の判断で処分保留のまま中国漁船長釈放」とした。
一方、その後国民に外交上の不手際を隠しとおす政府の意図が見えるビデオ非公開に反
発して、ビデオ映像をネットを通じて流出させた海保庁職員(当時)を前官房長官主導で公務
員法(守秘義務)違反で起訴しながら、すでに釈放した中国漁船長とあわせて地検は両者を
不起訴処分とした。
政権自らが招いた「自己矛盾(self contradiction)」のあげくの、両者のバランスをとらざる
を得なくなった法治国家にあるまじき結果だ。
(3)ビデオ流出事件では、ビデオの機密性に疑問もあった中で、国会も国民にも公開すべき
との強い要望もあった中で、事実が白日のものとなって外交上の不手際が明らかになるのを
避ける意図が見える前官房長官の強制的主導で法的責任を問うことになったものだ。
外務大臣の言う「犯罪性は立証」できる映像で日本が他国関係者から受けた不利益が明
らかなデータを事実関係の公平で公正な証明のために情報公開するのは、安全と生命にか
かわる国民の知る権利のためには日本の国益だ。
一公務員(海保庁)が入手「できた」この類いのビデオ映像を、所定の事務手続きを得ない
で公開したことは、事務組織上の規律違反ということだ。
法治国家としての「法律」が、統治する政府(官房長官)の都合で「適用」が操作されること
があっては、公平で公正で透明性のある法治国家とは異質なものだ。
(4)今回の尖閣諸島沖事件の外交、法的対応には不合理が際立った。当の元海保庁職員
は確信犯でありながら起訴段階では自分の行為を社会に深々と謝罪しながら、不起訴処分
で自分の行為の正当性(あるいは整合性)を主張する機会をなくしたことに不満を示して(報
道)いるという。都合のいい自己矛盾の論理で、行動、態度との整合性が見られない。
政府も元海保庁職員も公平で公正な法治国家にはあるまじき自己中心、保身主義
(egocentrism)の自己矛盾の世界であった。
(5)国体、国家のパラダイムとなるべき外交、法律での政府の右往左往、無力感には危機
を覚える。そのせいか、首相は、民主党政権のテーゼであった「政治主導」を「反省」した。