(1)こういうのをロジックのすり替え(substitutive logic)と言う。民主党大会での首相の1年
半前の民主党政権を評価しての言葉が「私たちがこの1年半やってきたことは、大筋におい
て間違っていない。」だ。
「やってきたこと」と、「やります」と国民に約束して圧倒的支持をとりつけたことは別だ。「や
ります」と国民に約束した民主党選挙マニフェストは、財源問題の見通しが「崩壊」して多くが
後退または撤回されて、1年半前の民主党本格政権交代の夢を国民に見せた革新的
(innovation)な政治理念はすっかり色あせたものとなっている。
子ども手当、高校授業料無料化の実施をとらえて、国民生活第一の政策を「やってきた」と
自負し、正当性を主張するが、①子ども手当は、支給対象者からも同情論が出るなど個人へ
の投資効果に疑問も出て、未だに当初の完全支給レベルには財源問題が障害となっている。
②高校授業料無料化では政策のツメが緩慢で、実施後になって利益対象者(団体)の範囲
が定まらずに、海外居住者まで対象にした大盤振る舞いの不合理性が目立って、自ら修正し
た。
③テーゼであった政治主導は前官房長官自ら放棄し、④ガソリン暫定税率撤廃は最初から
不履行を決め、⑤高速道路無料化は、実験試行中とは言えこれも完全実施はほど遠く、方針
も二転三転を繰り返して一体今はどんな制度かもよくわからない始末だ。
⑥公共事業見直しも国交大臣が変われば元に戻す発言で、ダム事業の見直しもその後の経
過が不透明のままだ。
「やってきた」不完全なことの正当性ばかり主張しても、「やります」と言ったことの多くの約束
(マニフェスト)の後退、撤回をことごとく無視してみせては、政権担当能力以前の首相のロジッ
クのすり替え発言だ。
内閣支持率が20%前半を推移して、政権担当能力とは政権担当者が自ら評価するものでは
なく、心配しなくても国民、第三者が客観的に評価するものだ。
ロジックをすり替えてまで、自ら主張するものではない。
(2)その内閣を改造する。官房長官に政治力は不透明だが、元幹事長批判の急先鋒の若い
前幹事長を据えて、一応の首相のメッセージを発信した。
今回の改造は、首相と親しく政治理念、経済政策も近いと言われる前「たちあがれ日本」の
議員が経済財政大臣として入閣する。同議員は自民党を離党して昨年政党「たちあがれ日本」
を立ち上げて、民主党政権を強く批判して、政界再編を目指していた。
民主党政権がデフレ円高経済不況に有効に打つ手もなく、行き詰まった結果、民主党政権を
強く批判した議員に経済政策のカジ取りを託すことになった。
(3)政治閉そく感の中で、個人の能力を政府、政策の中に活用することは全国民的な政治課
題として適材適所でかまわないと思うが(政党同士の大連立は国民の審判が必要)、この内
閣の特徴でもある「政府内不統一」、政府・党間の「不協和音」が増進することのない、選択し
た首相の「リーダーシップ」が厳しく問われることにもなる。
また、自ら財務大臣を途中で投げ出した(健康上の理由とは言え、誰も信じない元幹事長と
の確執)人を副官房長官として起用したのは、どんな政治節度なのか。
(4)この首相(内閣)は、昨年8月参院選敗北後の「これからが本当の仕事内閣」と言い、9月
代表改選後の「これからはやりたいことをやる内閣」と言い、最近は「今までは仮免許」と言って
きた。
その場しのぎの都合のいいことを言っても、党内権力闘争に明け暮れてきた実績がある。
とにかく、国民感情はもうガマンの限界にきている。
半前の民主党政権を評価しての言葉が「私たちがこの1年半やってきたことは、大筋におい
て間違っていない。」だ。
「やってきたこと」と、「やります」と国民に約束して圧倒的支持をとりつけたことは別だ。「や
ります」と国民に約束した民主党選挙マニフェストは、財源問題の見通しが「崩壊」して多くが
後退または撤回されて、1年半前の民主党本格政権交代の夢を国民に見せた革新的
(innovation)な政治理念はすっかり色あせたものとなっている。
子ども手当、高校授業料無料化の実施をとらえて、国民生活第一の政策を「やってきた」と
自負し、正当性を主張するが、①子ども手当は、支給対象者からも同情論が出るなど個人へ
の投資効果に疑問も出て、未だに当初の完全支給レベルには財源問題が障害となっている。
②高校授業料無料化では政策のツメが緩慢で、実施後になって利益対象者(団体)の範囲
が定まらずに、海外居住者まで対象にした大盤振る舞いの不合理性が目立って、自ら修正し
た。
③テーゼであった政治主導は前官房長官自ら放棄し、④ガソリン暫定税率撤廃は最初から
不履行を決め、⑤高速道路無料化は、実験試行中とは言えこれも完全実施はほど遠く、方針
も二転三転を繰り返して一体今はどんな制度かもよくわからない始末だ。
⑥公共事業見直しも国交大臣が変われば元に戻す発言で、ダム事業の見直しもその後の経
過が不透明のままだ。
「やってきた」不完全なことの正当性ばかり主張しても、「やります」と言ったことの多くの約束
(マニフェスト)の後退、撤回をことごとく無視してみせては、政権担当能力以前の首相のロジッ
クのすり替え発言だ。
内閣支持率が20%前半を推移して、政権担当能力とは政権担当者が自ら評価するものでは
なく、心配しなくても国民、第三者が客観的に評価するものだ。
ロジックをすり替えてまで、自ら主張するものではない。
(2)その内閣を改造する。官房長官に政治力は不透明だが、元幹事長批判の急先鋒の若い
前幹事長を据えて、一応の首相のメッセージを発信した。
今回の改造は、首相と親しく政治理念、経済政策も近いと言われる前「たちあがれ日本」の
議員が経済財政大臣として入閣する。同議員は自民党を離党して昨年政党「たちあがれ日本」
を立ち上げて、民主党政権を強く批判して、政界再編を目指していた。
民主党政権がデフレ円高経済不況に有効に打つ手もなく、行き詰まった結果、民主党政権を
強く批判した議員に経済政策のカジ取りを託すことになった。
(3)政治閉そく感の中で、個人の能力を政府、政策の中に活用することは全国民的な政治課
題として適材適所でかまわないと思うが(政党同士の大連立は国民の審判が必要)、この内
閣の特徴でもある「政府内不統一」、政府・党間の「不協和音」が増進することのない、選択し
た首相の「リーダーシップ」が厳しく問われることにもなる。
また、自ら財務大臣を途中で投げ出した(健康上の理由とは言え、誰も信じない元幹事長と
の確執)人を副官房長官として起用したのは、どんな政治節度なのか。
(4)この首相(内閣)は、昨年8月参院選敗北後の「これからが本当の仕事内閣」と言い、9月
代表改選後の「これからはやりたいことをやる内閣」と言い、最近は「今までは仮免許」と言って
きた。
その場しのぎの都合のいいことを言っても、党内権力闘争に明け暮れてきた実績がある。
とにかく、国民感情はもうガマンの限界にきている。