いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

理想と利権。 ideal and concessions

2011-01-04 20:08:42 | 日記
 (1)政治(家)の『「理」想』と『「利」権』は紙一重だ。紙一重であっても、まったく
「別もの」だ。政治(家)には、別ものとしての自制が強く求められる。「利権」を私利
のために「排除」することも、政治(家)の「理想」の中にあるのが常識だ。

 政治(家)が理想(ideal)を実現するところには、利権(concessions)が集中する。
政治(家)には、重要な情報が集約、集中し、また自らその重要な情報をつくりだす
から、その取り扱いに制約もあり、情報のつくりだす果実への参加については制限も
ある。

 発言一つで相場の動向に強い影響を与える株式の取引は政治家には禁止されて
いるし、たとえば理想とする政策としての生活道路計画であっても、事前に道路設定
土地を押さえて、計画実施により値上がりした土地を売却すれば巨額の利益を得る。

 こうした事が恥も外聞もなく私利欲に利用されてきたのが利権政治、既得権政治だ。
一昨年の本格的な政権交代で、旧来の利権政治、既得権政治は国民から完全に拒
否された。

 (2)今年、新年早々にまた「政治とカネ」の疑惑、問題が浮上している。その政権交
代をかけた09年総選挙で、新人の民主党立候補者が応援の都議、区議員の選挙支
援活動に対する現金授受問題だ。

 当の衆院議員事務所は、「労働の対価」としての人件費対応をしたとされ、しかし、
応援の都議、区議員らは「選挙時に配られる選挙資金」だと語っている。(報道)
 つまり、地元都議らによる「票」のとりまとめを期待した謝礼としての疑惑だ。
 常識的に考えて、都議らがポスター張りや事務所の手伝い(労働の対価)をすること
は考えにくく、仮にそうではあってもそれは立場上、ボランティアとするのが普通だ。

 公職選挙法では、選挙区内の有権者に選挙応援業務の労務費、人件費以外に現
金を渡すことは禁じている。そもそも、そんなまぎらわしいことは、自ら「排除」して「自
制」して公正な選挙活動を行うのが普遍的理想だ。

 すでにその政治レベルを見れば、今回の「政治とカネ」の疑惑、問題も政治(家)資
質として国民の信頼を裏切るものだ。この新人議員は、元幹事長の支援を受けて当選
した。

 (3)その元幹事長の「政治とカネ」の疑惑は、1月中に強制起訴となる。元幹事長は、
検察が不起訴処分にしたことを踏まえて「何もなかった」ことと主張しているが、「嫌疑
不十分による不起訴処分」であって、「嫌疑」がなかった訳ではない。

 元幹事長のもともと「証拠不在」のステージに検察が乗せられての不起訴処分だ。今
でも国民の80%が説明責任を求め、政治責任の必要性、復帰を望んでいない。

 新年早々からの「政治とカネ」。国政は2年前の国民の付託に答えていない。一部の
議員の資質の問題だけでなく、これは「すべての国会議員」の解決すべき問題だ。

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