いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

肝に銘ずべきこと。 fix in your mind

2011-01-19 19:47:46 | 日記
 (1)企業の半数近くが来年度も新規採用を控える見通し情勢の中で、当然のように大卒就
職内定率が過去最低の68.8%を記録した。すでに学生によっては100社当っても内定は
1社もないという危機的就職状況だ。

 「雇用第一(primary employment)」という民主党政権は、①9千億円予備費を財源にした
経済政策、②21兆円規模の緊急総合経済対策を決定し、これに③11年度予算(案)を追
加して雇用促進政策を加速する政策だ。
 企業は、TPP参加にひとり乗り遅れた日本経済事情の中で国際競争力が一層劣化して、
長引くデフレ円高不況に反転攻勢の先行きも不透明感が強い。
 政府は、党内対立、権力闘争に自己事情ばかりの効果的な対応も出来ずに、ねじれ国会
での野党の反発も買って、ようやく11年度予算審議のための通常国会会期を決めれただけ
だ。雇用促進のための11年度予算の成立にも課題は多く、内閣改造のカードは切ったので、
あとは政界再編、解散総選挙も視野に入れた政変がらみで、「雇用第一」促進政策の実効
性も不透明のままだ。

 政府、首相は自己事情、自己矛盾を棚に上げて、国会運営に非協力なら国民に対する反
逆だと野党をけん制するばかりで、これまた有効な展望は開けていない。
 確かに、党利党略で国会審議に参加しないのであれば、国民生活の現状窮状に対する大
いなる反逆であり、政治責任は厳しく問われるのは間違いないが、政府は政府で首相を筆頭
に党内対立の確執に決着もつけれずに、有言不実行の政治責任は重い。

 (2)冒頭の学生は、政府の雇用促進経済政策の効果を待って大学自主留年、専門学校進学
で次年度の再度就職機会を伺うものが多数出ることが予想されて、深刻な社会現象だ。
 少子高年令化社会を迎える日本での、若年層の労働力、生活基盤の安定は絶対必要要件
であることを、社会も企業も政府も同一認識し共有すべき価値観だ。
 そういう共有認識が社会に存在するのか、疑問だ。

 (3)若年層社会においても、確固たる目的、希望を持った人生観の中でのフリーター化は別
にして、安易なムーブメントとしてのフリーター化には、いつも高年令に到達した時の生活保障
の展望が欠落していることを危惧している。
 高年令化で労働利益も年金保障もままならずに、そのままでは社会保障が受けられない先
々の事を考えて行動すべき時でもある。

 若年層には、社会人として出発するには大変厳しい社会環境ではあるが、人生の一区画と
して多様に多角的に労働、生活を考えるべきだ。労働力が必要な企業、事業(介護、医療、地
方、中小企業)もある。政治も、労働条件の改善で労働力不足の事業も支援すべきだ。
 一時の妥協、安易には流されてはならない時だろう。そういう意味での若年層の政治選択で
もある。

 (4)米国も失業率が10%を行ったり来たりで景気回復は鈍く、世界的に若年層には厳しい生
活環境、将来展望が続く。
 イギリスでは授業料値上げで学生の抗議行動が起こり、アフリカのチュニジアでは就職の機
会のない、つくれない独裁的な政府の国内事情に若年層のデモが広がり、政府は崩壊して内
戦状態だ。

 若年層は、あたらしい社会価値観、理想、思想、体内エネルギーの宝庫だ。社会に活用して
貢献できるか、できないかの環境整備は将来にわたっての社会の重要なテーゼ(these)であ
る。政治、企業は肝に銘ずべきだ(fix in your mind)。

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