いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

「浮沈」を賭けて。 ups & downs dispatch of message

2011-01-15 19:47:22 | 日記
 (1)「タイガーマスク(伊達直人)」に端を発した全国の児童養護施設への贈り物は、
「金の延べ板(本物なら100万円以上)」まで登場してメディアの報道も連日の過熱して取
り上げている。
 当初のメディアの取り上げ方の中で、全国地図に贈り物のあった都道府県に色塗りをし
てまるでわずかに残った未贈呈の地域を誇張して見せて、あたかも催促するかのような映
像パターンを表示していた。
 多分、一気に全国に広がった贈り物現象の「ボリューム」感を表現してみせたのだろうが、
それを見ていて当然、未贈呈の地域は「何でこの地だけ」と疎外感を覚えるだろうとの違和
感が残った。翌日には、この現象は全国各地に際限なく残すところなく広がっていたのだ。

 ①この全国的な贈り物現象に、全国児童養護上部団体は「贈呈の場合には、送り先に必
要な品物を確認してほしい」旨の異例のお願いを表明した。
 どうやら、上部団体はこの贈り物現象を「善意(good faith)」とは見ていないのではないの
か。確かに必要なものだけ贈呈されれば、趣旨、善意、好意は相互に十二分に生かされて
効率的であるが、「善意」に過度な「注文」をつけるかのような表明(報道)には、戸惑った。

 今回のケースに「善意」というものがあるとすれば、「善意」とは相手の個別の事情、要求
に応じるものではなくて、一般的、普遍的な人間の能動的な「心持ち」にあるものだから、
受取る側は物品、物質(material)ではなくて、「その」気持ちを受け取るのが普通だ。
 受け取ったあと、全国同施設(上部団体)で調整して必要なものを施設に振り分けて有効
活用する、善意をそのまま生かす手法もある。

 ②この現象、「善意」にばかり光を当てていると、問題の本質が消える。児童養護施設の
運営の個別の事情、要求に対応するのは国、政府、自治体の仕事だ。
 民間の「コマ」がひとつ動いて、全国に波及した現象のモチーブパワー(motive power)を
国、政府、自治体が政治責任、行政責任として捉えて行政に生かしていくのか、この現象
が「本筋」からそれないうちに国、政府、自治体からの早急なメッセージ発信が必要だ。

 (2)民主党第二次政権の再改造内閣。内閣支持率の20%台低迷と通常国会での11年
度予算審議を控えて、内閣、政権の新鮮、斬新さ、冒険を避けてベテラン議員を配した安
直なだけの布陣となった。

 この中でも、内閣のスポークスマンの官房長官は若い前幹事長(46才)が就任した。
元幹事長の政治責任追及の急先鋒で、首相はその立場のメッセージを発信した。官房長官
は、党の要職の幹事長職では参院選大敗北に象徴されるように「要」としての政治力はほと
んど発揮できずに交代して、その政治力は不透明のままだ。

 今回、官房長官としては異例の「若さ」ということで本人も就任会見でそのことに対する党
内外の批判をまるで受け入れるような発言があった。政治力は不透明でも、民主党政権の
「浮沈(ups and downs)」を賭けた内閣として、せめて「若さ」をモチーブパワーにした意欲、
意気は発信すべきだった。
 国際政治、とりわけ米国では半世紀前の冷戦時代にすでに40代の大統領が米国をリー
ドしていたのだ。

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