いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民総幸福。 gross national happiness

2011-02-16 19:45:18 | 日記
 (1)ヒマラヤ山岳地帯の入口のネパール、カトマンズは、旅行通(mania)には一度は訪れ
てみたい桃源郷だ。自然観と宗教観と民族王室観が地上からはるか天空の世界で混在
(composite)する「別世界」だ。

 王室国家思想が民族の中で絶対的な信奉を集めて、王室への信望も厚い人間国家だが、
この一帯は経済発展の著しい新興国の中国とインドに挟まれて、新興覇権国(主義)からの
不当な干渉も挟まれることもあれば、ネパール国内では王室内での権力対立抗争もある。

 (2)その一角のブータン王国。人口70万人、九州ほどの小国は、40年近くも長く「国民総
幸福(GNH)」を国家理念に掲げた国造り(報道)を推進している。
 「国民総幸福(GNH)」を提唱、推進してきた前国王は、経済至上主義には走らずに地球
環境、教養教育、文化力を背景にした精神至上主義の実践で、今年「kyoto地球環境の殿
堂」入りのひとりに選ばれた。

 前国王の洞察力、行動力、思想、理念は娘の王女(29)に引き継がれて、王女は現在も
1年の大半は首都から遠く離れた村々を巡回して国民生活の実情を見聞して統治
(government)に生かして、「行動する若き王女」(報道)として国民の信望も絶大だと言う。
 今、前国王の名代として来日中だ。

 (3)前国王が提唱、推進した「国民総幸福(gross national happiness)」とは、心理的幸福
度、健康度、教育、文化、環境、自分時間の使い方などで「幸福度」を計り(資料)、経済力
でない教育、文化力から生活水準を維持、向上させていくものと理解できる。
 近代社会で理想とする高質な生活観そのものだ。生活に見合った収入にではなくて、収入
に見合った生活が基本理念だ。

 国内総生産(GDP)で国力を計り、総生産経済力の実態、実情が国民生活に効果として反
映しない近代経済国家体系の「盲点(weak)」を、「国民総幸福」の理念、思想は、教育国家、
文化国家、環境国家として本質的にリカバリーするものだ。スウェーデンなど北欧の国家理念
とも共通する。

 「国民総幸福」は、天空の「別世界」の小国だからの提唱、思想実践ではない。グローバル
化した経済協調主義、経済至上主義の世界観の「次の時代」を構成する共有すべき重要な
キーワード、社会資本と言える。

 (4)今年、中国はGDPで日本を抜いて世界第2の経済国家となった。中国外務省は「国内に
は1億5千万人の貧困層がいる」と発表した。日本の総人口と同じ規模だ。
 中国には地域格差、環境問題など克服すべき問題も多いのが経済大国の実情だ。

 (5)来日したブータン王女の「経済的な繁栄よりも、精神的な充足を重視すべき」との発言も、
その行動力、思想に裏付けられて、次代世界観として耳を傾けるべきものだ。

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