(1)最近は言わなくなったが、かっては国会議員のことを代議士と呼んでいた。国民の付託
を受けて、国民に代わって議院で国政を司(つかさど)ることを職業とする。
国政選挙の立候補者は、思想、信条、選挙区、政党に法的規制、制限はなく、自由に選択
して立候補できる。
立候補の必要要件は、国政、国民生活「全体、全般」に携(たずさ)わる選挙手段としての
制度上のもので、制度上も当選後に立候補の必要要件に拘束されることはなく、同一議院内
ではすべて「同じ」議員資格で国家、国民全般の利益代表として、国政全般に政治責任を持
つことになるものだ。
(2)自民党政権時代に、党、政府の要職を歴任して政治経験も豊富で、2年前の民主党政
権誕生で野党になった自民党を離党してその後「たちあがれ日本」を結党し、民主党政権の
理念、政策を強く批判していた衆院議員を、民主党第2次内閣が税制と社会保障制度の改
革で消費税増税論議に方針転換するのにあたり、従来から同政策論議を推進してきた同議
員を内閣の一員(経済財政担当相)に迎え入れた。
(3)民主党政権は、衆参ねじれ国会の解消のための野党との共闘路線の一貫として「たち
あがれ日本」との連携を模索していたが不調に終わり、共闘を強く推していた同議員が再び
「たちあがれ日本」を離党して民主党政権にひとり入った複雑なものだ。
同議員を取り巻く、二転、三転の政治遍歴は、政治理念の一貫性、整合性を欠いて露骨な
政権欲、野望政治のための転身(conversion)、変心(change of mind)、数合わせ(政界再
編)として、民主党内一部と野党からその去就が批判されている。
(4)自民党は、同議員が前回衆院選挙区選挙(個人選挙)では落選し、比例代表(党籍選
挙)で復活当選したことを受けて、議席(党籍)を自民党に返上して出直すべきだと同議員を
攻撃している。
比例代表選挙の場合は、立候補者個人名ではなくて政党名を記入して投票して名簿順位
により当選する制度の違いを、契約違反にたとえての信義に反する批判だ。
心情的、信条的にはそういう論法になるのだろうが、立候補者の要件は選挙手段としての
制度上の問題で、当選後は国家、国民全体、全般にわたり政治責任を負うもので、一制度、
一選挙区のためだけに政治責任を持つものではない。
「変心」に理不尽は覚えても、批判にあたる「転身」とは言えない。自民党は、同議員が「た
ちあがれ日本」結党の際の同党離党では、党内結束を乱す存在としてむしろ離党を歓迎して
いたのではないのか。都合主義だ。
(5)問題は、同議員(現大臣)が野党時代に民主党政権の政治理念、政策を強く批判してい
たこととの「整合性」だ。すでに担当する社会保障制度改革では、財源の原資問題で同議員
(現大臣)の考えと民主党マニフェストとの不一致も出ており、政権欲としての野望政治、数
合わせ(政界再編)との批判にどう応えるのか、とにかくここでは理不尽で複雑だ。
を受けて、国民に代わって議院で国政を司(つかさど)ることを職業とする。
国政選挙の立候補者は、思想、信条、選挙区、政党に法的規制、制限はなく、自由に選択
して立候補できる。
立候補の必要要件は、国政、国民生活「全体、全般」に携(たずさ)わる選挙手段としての
制度上のもので、制度上も当選後に立候補の必要要件に拘束されることはなく、同一議院内
ではすべて「同じ」議員資格で国家、国民全般の利益代表として、国政全般に政治責任を持
つことになるものだ。
(2)自民党政権時代に、党、政府の要職を歴任して政治経験も豊富で、2年前の民主党政
権誕生で野党になった自民党を離党してその後「たちあがれ日本」を結党し、民主党政権の
理念、政策を強く批判していた衆院議員を、民主党第2次内閣が税制と社会保障制度の改
革で消費税増税論議に方針転換するのにあたり、従来から同政策論議を推進してきた同議
員を内閣の一員(経済財政担当相)に迎え入れた。
(3)民主党政権は、衆参ねじれ国会の解消のための野党との共闘路線の一貫として「たち
あがれ日本」との連携を模索していたが不調に終わり、共闘を強く推していた同議員が再び
「たちあがれ日本」を離党して民主党政権にひとり入った複雑なものだ。
同議員を取り巻く、二転、三転の政治遍歴は、政治理念の一貫性、整合性を欠いて露骨な
政権欲、野望政治のための転身(conversion)、変心(change of mind)、数合わせ(政界再
編)として、民主党内一部と野党からその去就が批判されている。
(4)自民党は、同議員が前回衆院選挙区選挙(個人選挙)では落選し、比例代表(党籍選
挙)で復活当選したことを受けて、議席(党籍)を自民党に返上して出直すべきだと同議員を
攻撃している。
比例代表選挙の場合は、立候補者個人名ではなくて政党名を記入して投票して名簿順位
により当選する制度の違いを、契約違反にたとえての信義に反する批判だ。
心情的、信条的にはそういう論法になるのだろうが、立候補者の要件は選挙手段としての
制度上の問題で、当選後は国家、国民全体、全般にわたり政治責任を負うもので、一制度、
一選挙区のためだけに政治責任を持つものではない。
「変心」に理不尽は覚えても、批判にあたる「転身」とは言えない。自民党は、同議員が「た
ちあがれ日本」結党の際の同党離党では、党内結束を乱す存在としてむしろ離党を歓迎して
いたのではないのか。都合主義だ。
(5)問題は、同議員(現大臣)が野党時代に民主党政権の政治理念、政策を強く批判してい
たこととの「整合性」だ。すでに担当する社会保障制度改革では、財源の原資問題で同議員
(現大臣)の考えと民主党マニフェストとの不一致も出ており、政権欲としての野望政治、数
合わせ(政界再編)との批判にどう応えるのか、とにかくここでは理不尽で複雑だ。