いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

さっぱりと出直し。 give up and come again

2011-02-08 19:37:39 | 日記
 (1)伝わってくる話は、本場所中止でモチーブパワー、体力の持続の不安、部屋経費、手当
の保障、番付はどうなるのかと、日本相撲協会ひとりの苦渋とは裏腹の大相撲社会現場から
の危機感のない保身、独善的な話ばかりだ。
 日本相撲協会が直面しているのは、プロの最高のスキルを真剣勝負で見せる大相撲取組み
が八百長で汚染された、「存続危機」の究極問題(ultimate affairs)なのだ。

 8日から外部委員も含めた特別調査委員会が70名の十両以上の全関取の聞き取り調査を
開始する。八百長を認めた関係者の中には、一度は否定してみせた者もいて、また証拠の残
るケイタイを壊したり機種変更で手放したりで、調査にも協力しない力士もいるという。
 存続危機の究極の危機感を共有できない、甘い認識力、無責任体質が大相撲社会の常識
化となっている。

 待遇、振舞いが一般社会とのあまりの「かい離」性を、大相撲社会が比較「優越性」として利
用して誘因していた「ツケ」が集約、集中して、一気に八百長問題(3人がすでに認めた)として
日本相撲協会に揺り戻して覆いかかってきたのだ。

 (2)八百長解明は困難を極める。ふたりで取組む相撲では、当事者同士の意思は「あうん」の
呼吸でふたりにしかわからない無形の意思疎通が支配する。たとえメールで事前のやりとりが
あったとしても、本番取組みでそういう事態(八百長)であったか、実行されたのかの確証は、
双方当事者同士の証言の一致以外は客観性を取りにくい。

 まして双方が否定し物的証拠もない「あうん」の呼吸のまま八百長が行われていたとすれば、
疑惑は「闇」の中だ。
 「言った」、「聞かない」の証拠不在のステージに検察を乗せて、一旦不起訴処分となった民
主党元幹事長の「政治とカネ」の問題軌跡と同じ構図だ。

 (3)現在メール送信で発覚している3名の関係者が「八百長」を認めている。この事実だけで、
大相撲は「出直す」べきだ。全構成員に「存続危機」の究極問題を発信し、「共有(joint
ownership)」して、「出直す」しかない。
 この段階で、全構成員が勝負に対する真剣味の価値の意味、影響、本来の勝負主旨を共有
することのほうが、70名十両以上の全関取の聞き取り調査により出てくる結果効果よりもはる
かに高い、大きい効果がある。

 (4)日本相撲協会は、税負担で優遇される公益財団法人化のために時間をかけても徹底調査
をする意向のようだ。しかし、すでに大相撲の実態は暴力組織がらみの野球賭博、八百長問題
で「公益財団法人」とは無縁のものとなっている。
 徹底調査もひとつの浄化方法ではあるが効果は薄く、目的は「出直し」対策ではなく「公益財
団法人」化対策のためのものだ。どこまでも本末転倒が続く。

 さっぱりと、すべて「しがらみ」を「国技」を捨てて、プロの最高のスキルを真剣勝負で見せるだ
けの一スポーツとして、出直し(give up altogether and come again)たらいいのではないのか。
いつか、公益財団法人化への道も開けるかもしれないのだ。

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