いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

「誰のための政治か」をそっくりと。 politics for whom

2011-02-18 19:44:13 | 日記
 (1)民主党の内紛が拡大している。党の説明責任方針に従わない元幹事長を首相、現幹事
長が束になってようやく主流、非主流の妥協点として、痛くもかゆくもない最低処分ランクの党
籍停止処分にしたと思ったら、今度はその元幹事長支持グループ当選1回生議員(比例代表
選挙区)の民主党会派離脱騒動に飛び火した。

 ねじれ国会で関連法案を含めて成立が不透明の予算審議にも影響する、身内内閣の足元
を見た示威行動だ。国会議員で1回生だからといって未熟な思慮のない行動だと受け取る必
要もないが、やはり1回生議員だけの民主党政権の現状を憂いての行動とは、素直に受け取
れない背景もある。まるで、中東、アフリカ諸国での政情不安の拡大の構図を見る思いだ。

 (2)民主党内の規約がどうなっているのか不明だが、国会活動の「会派」は質問時間、国会
控室の割り当て目安の基本形で、届け出や運営は慣例に基づいてルール化されているだけ
で、規定で制度化されたものではない(資料)。
 同一の政治理念、政策を共有する政党は「同一会派」を組むのが通例となっているが、規定
化されたものではなく技術上は冒頭のような同一政党内でも別会派を組むことも原則(党規約
で禁止されれば拘束)自由とは言える。

 ただし、それは冒頭のような場合では一般的には反党示威行動であるから「離党(leave a
party)」して、別会派を組み政治活動を行うのが筋は筋だ。

 (3)これに対して、民主党幹事長は「(党の)規約上ありえない。パフォーマンスだ。」と批判し
ている。それ(規約上の拘束)が本当だとしたら、規約上ありえない「行動」がなぜ一部議員か
ら記者会見までして公然と行われたのか、党幹事長として自らの党内統治能力の欠如と党内
内紛混乱の拡大の実情を、丁寧にも説明してみせる結果だけとなった。

 いくら政権の足元を見られているとはいえ、明確な党内規約が存在するなら政治信条に基づ
いてもっと明瞭、明白に一刀両断に対応すべきことだ。政治は「ゲーム」ではない。
 民主党、同政権に今もっとも欠けている政治決断、統治能力、自浄能力のパラダイム
(paradigm)の欠如を具現化しているのが一層皮肉だ。

 (4)本格的政権交代を果たして1年半。民主党の政治理念、基本政策が否定された訳でもな
い、野党支持率も伸びない中での内閣支持率が最低の20%を切る政治情勢だ。
 原点回帰してのリ・スタートを望むが、身内政権内からの「当初のマニフェストに『無理』があっ
た」発言での次から次へと骨格基本政策の「後退」では、もはや国民のガマンも限界なのは当
然だ。

 (5)冒頭の会派離脱騒動に関しての大臣(女性)の「今は予算を通すことが最重要課題の時
に、誰のために政治をしているのか、理解できない」との発言。
 けっして会派離脱騒動に味方するものではないが、この大臣の発言を「そっくり」お返ししたい。

 1年半前に国民の圧倒的支持を受けて本格的政権交代を果たしたマニフェスト(公約)を、今
になってそもそも「無理」があったと次々と「後退」させてあげくに党自ら勝手に見直しするなどと
は、一体「誰のための政治(politics for whom)」なのか、お答えいただきたいものだ。

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