いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

今年のアジアと日本。 year's locus of Asia and Japan

2012-01-06 19:37:39 | 日記
 (1)欧米から聞こえてくる声は、危機的な話ばかりだ。どう見ても国内問題に汲々として保護主義に走って外に目を向ける余裕もなく発信力もない。経済成長の新興国の中国、インド、ブラジル、アルゼンチンも、自己防衛、足場固めがせいぜいで、まだまだ世界経済に影響力を発信するだけの経験と度量を持ち得ない。

 しかし、そんな中でひとりミャンマーだけは国際関係改善で異彩を放っている。長らく軍事政権による独裁、国民抑圧政策が続いたミャンマーは、昨年にAPECの議長国に前倒しで名乗りを上げ、同時に民主化運動指導者アウンサンスーチーさんの20年近くに及ぶ自宅軟禁状態を解き、反軍事政権拘束者を釈放する一連の融和路線に方向転換した。

 ミャンマー(旧ビルマ)は、経済成長著しいアジア経済圏の真ん中に位置して天然、自然資源が豊富で文化度(国民の特に女性の識字率も高い)も高い国だ。軍事独裁政権に対する経済制裁を主導していた米国政府もいち早くミャンマーに国務長官(クリントンさん)を派遣して融和路線を歓迎し、日本も外相を派遣して関係改善に向けて動き出している。英国も新年早々に57年振りとなる外相のミャンマー訪問で関係改善を目指している。

 豊富な自然資源力、文化度の高い国民力のミャンマーの国際協調路線が促進されれば、少しは明るい期待感が世界に向けられるのではないのかと思う。いまだに政治的拘束者の釈放が十分でないとの話の中で、これらの外国政府との急速、具体的な関係改善はいまだ見込めない話だが、一旦民主化にカジを切った国は元に戻ることなど出来ない話だから、ミャンマーの国際協調路線の効果、成果、貢献への期待は今後の国際社会の中で明るいニュースとして大きく膨(ふく)らんでいくことは間違いないことだ。

 今年中に新しい政治体制が固まる米国、フランス、ロシア、韓国、中国と合わせて、その後の国際社会、とりわけアジア圏への変化に注目の1年だ。

 (2)独裁国家の変化、変革を同じアジア圏に見て、一方の独裁国家北朝鮮の体制固めはどう推移するのか。こちらは国内締め付け強化に国内不安を外国へ向けさせる両面作戦で当分は集団指導体制が有力視されている。
 メディアによると唯一の支援国中国との貿易は再開されており、政情安定化に向かへば「改革・開放」路線に向かう期待もあると報じられている。一部には中国のネットに北朝鮮でクーデターが起きたとの書き込みも広がって中国当局が即、削除したとの話もある。(報道)
 まずは考えられないデマ情報のたぐいで、「北朝鮮の春」の下地(foundation)はほど遠く軍事力主導で国内独裁化を強めるだろう。
 ただし、同じアジア圏の軍事独裁国家ミャンマーの国際協調方向転換が順調に成果を上げれば、北朝鮮の「改革・開放」への一定の圧力にはなるのではないのかと期待する。

 (3)外に目を向けるまでもなく、日本国内にはそれ相当の難題課題山積だ。東日本大震災復旧・復興、福島原発事故収束、超財政赤字による予算編成、税と社会保障の一体改革(消費税増税)、普天間基地移設先、議員定数削減(1票の格差是正)、2大臣の問責決議後の国会と与野党の対立が鮮明の中で、1月の通常国会から波乱含みだ。
 この期に何をやっているのかとの思いが強いが、それに付け込んでの地方自治体からの功罪織り成す政策発信だ。

 欧州経済不安(危機)、円高ドル・ユーロ安も加速して、日本経済もデフレ、雇用不安と1年の先行き不透明感の中だ。
 震災復興需要がどれほど日本経済を支えるのか、経済界からも期待の声があるが、そこにすがるしか道がないのが厳しい経済環境を表してもいる。
 円高を利用しての昨年1年間の海外企業買収(M&A)が過去最高益を記録した。これを拠点とした海外市場効果にも注目だ。

 グローバル経済の土台となる今年1年はガマンしての「国内力(domestic capability)」の強化の年だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする