いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

不可思議な国会。 incomprehensible national diet

2012-01-24 20:22:55 | 日記
 (1)新聞紙上に首相は3月提出予定の消費税増税法案を争点に衆院解散も辞さないとか、自民、公明党は6月解散を目指すとか、各党地区割りの次期衆院選立候補予定者が載る中での波乱含みの通常国会が24日に召集された。

 直近の世論調査で与野党政党支持率の最高が10%台(10人に1人の支持)のきわめて低調の既成政党不信任の中での、しかも与党、野党内がともに「バラバラ」の意思不統一、不協和音の中での国会審議とあっては、新年幕開けの政治に最早期待を持てと言うのも酷な政治状況だ。

 メディアは消費税国会と称して、税と社会保障の一体改革による財源保障の消費税増税に特化しての与野党攻防論戦の中、政府のマニフェスト違反だと主張して従来から消費税増税主張の野党自民党までが協議を拒否、メディアはその前に政治は自ら「身を切る、削る」気概の必要性を説くが、国民の生活(デフレ、雇用不安、電力不安)、東日本大震災被災地での生活(復興、原発事故)、日本を取り巻く世界情勢(円高、石油禁輸)は「それどころではない」ことを考えているのか、不可思議だ。
 今年の通常国会は不可思議な国会(incomprehensible national diet)だ。

 (2)解散含みの与野党メンツ激突国会が予想されて、さっそく法案審議もままならない情勢分析で12年度予算、赤字国債発行関連の法案にも影響が及び、国民生活を圧迫しかねない先行き不透明なままの国会運営の様相だ。

 国会は国民を代表して与野党が多数党は多数党で、少数党は少数党なりの立場からチェック・アンド・バランス(check and balance)の法則をいかして均衡、均整のとれた、あるいはダメージを補完する政治課題への効果的な投資の政策実現をはかるものではあるが、現状のように与野党ともに党派保護主義の政党メンツ、唯我独尊の偏向思考の中では、国民の生活、財産、権利が脅かされるばかりだ。

 既得権・密室政治、出来もしない準備不足の革新的政策にだまされる国民も国民だが、事前に国民に見抜くことなど酷な話だ。やはり政治家自らの良識(good sense)、政治責任の問題だ。

 (3)まがりなりにも国民が選んだ政権だ。行き過ぎをチェックすべき国会「制度(衆参独自性)」が正当な抵抗手段に使われて国政を停滞させ機能不全にさせては、本末転倒のことだ。国民生活に直結する予算関連法案については、政府に優先的裁量、執行権を与えるルール、制度があってもいいのではないのか。

 必ずしも国会多数決ではなくても、与党全会一致の上、野党の一定数の賛成で成立するとかあるいは予算全権を政府の裁量として一定期間内国民の異議申し立て審議も認めるなど、毎回繰り返される不毛の予算が政争の「人質」とならない工夫も必要だ。
 国会が国民の意思無視の政党メンツ、政局イデオロギー偏向、政争のステージにならない工夫が良識国会のために必要だ。

 (4)1000兆円を超える財政赤字問題はもちろん今となっては重要政治課題だが、復興、原発、デフレ、雇用不安、沖縄基地と緊急政治課題は山積している。
 与野党内の「タガ」がそれぞれに「バラバラ」での国政運営では、内外情勢緊迫度合いに反比例しての政治の不安定要素だ。

 政党メンツ、政局イデオロギーを度外視しての国民のための建設的な国会審議、論争、運営に徹した「度量」を議員、国会は見せることはできるのか。
 今年の150日間の通常国会は、日本にとっても国民にとっても議員にとっても重大試練の国会だ。
 日本の国会は「ダイエット(national diet)」だ。

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