いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

民間力の活用。 application of civilian power in administration

2012-01-30 19:23:13 | 日記
 (1)行政組織(administrative organization)ほどセクショナリズムに支配されて、業務横断的な連携、付加価値のない硬直した組織はないというのが一般認識だ。民主党政権の政治主導主義で見せた官僚機構の不作為、不協力による行政停滞はセクショナリズムの自己権利、利益保護の結果だ。

 すでに廃止が決まった行政刷新会議が当初、行政事業のムダ削減による財源捻出に取り組んだのも、一般社会、企業倫理と比較して大きく立ち遅れている行政事業、業務の効率化、仕組み、作業基準の見直しが必要と考えられていたからだ。

 民間企業との契約も特定企業との随意契約、単年契約中心で、国民の投資(税)を言うなら湯水のごとく使ってきた。市場競争原理社会の民間企業では、経費のムダ削減、有効活用で契約は複数企業の競争入札が基本で、さらに複数年契約による総合ならし値引き分を契約年単価に反映して、市場原理原則の実態に合わせた価格設定に努めてきた。

 近年になってようやく行政組織でも国民の投資(税)の有効活用への疑問、指摘を受けて、このような市場競争原理を導入しての財政の効率化をはかる動きが出てきた。

 (2)国会議員、首長も含めて公務業務担当分野は、国民の投資(税)を資本として業務するパブリック・サーバント(public servant)と呼ばれてお堅いイメージはあるが、そもそもは民間企業と同じく全国民に開かれた自由な職業選択のひとつである。

 「資本」が国民の投資(税)によるものか、個人出資または営業利益還元活用によるものかの違いだけで、行政公務業務手法に民間活力・仕組み・作業基準を導入することは基本的(行政公務の場合、効率化、市場原理原則だけではない公共性、公益性もある)には当然の帰結でもある。

 (3)自治体中心に副市長、区長、行政事務責任者に民間出身者を採用したり、公募するケースが増えてきた。都構想、州構想による行政形態の改革、再編による行政サービスの重複、ムダ削減、革新的行政を目指す自治体、首長中心に広がっている。

 行政に市場競争、効率化の原理原則を導入する象徴としての民間活力の活用(application of civilian power in administration)だが、そういう理論、理念が行政に今までなかったことが行政のインバランス(imbalance)、偏向姿勢を増長してきたのだ。

 民間からの反応も高く、今更行政の民間力活用は理論上は特別のものではないが、この自治体の手法の結果検証、変化、改革が注目される。

 (4)ついでに、国会審議、委員会審議では委員が課題に対して何をどのように話したかはネット検索で手に取るように分かる。課題の先行き、対応、方針を「読む」ことが出来る訳だ。
 東日本大震災、福島原発事故にかかわる各対策本部の議事録が作成されていないことが明らかとなって問題化し、政府は作成指針づくりに追われている。

 ネットで検索できる時代に、方針不明、責任所在不明を狙った意図的なものだ。原発事故の半永久的対応、対策の必要な課題に対して、歴史的検証のエビデンス(evidence)がないなどとはあってはならないことで、これこそはお堅い行政のルーティン(routine)主義の本来本質なのだからだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする