いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

イランとタリバン(率先主導の教訓)。 to take the initiative is precepts

2012-01-19 19:35:34 | 日記
 (1)米国が国際世論に反して核開発を続けるイランに対して、国内法措置による国際的に影響力を持つ経済制裁に出た。イランの中央銀行(石油輸出入の決済窓口)と取引きをする外国銀行とは米国は取引決済を行わないという国内法を制定して、各国に対して事実上のイラン原油の輸入禁止という経済制裁措置をとった。

 日本はイランとは良好な外交関係にある数少ない西側諸国のひとつだが、米国の法的措置による強硬姿勢に日本政府も「段階的」にイラン原油の輸入(日本全体の10%相当)を「縮小」する次善策の方針を米国に伝えた。これで合意できるのか、米国とは現在交渉中だ。

 名目が世界唯一の核兵器「使用国」で世界最大の核保有国の米国による「核開発」を続けるイランへの経済制裁と言うことだから、性善、性悪が同居するいつもの覇権国家の都合のいい市場独占論理の構想だ。北朝鮮が公然と核開発を進めている「根拠」も、オーバーフロウ(over flow)した核保有大国の後発国の核開発保有は認めないと言う、身勝手な相矛盾する覇権大国論理だ。

 核兵器のない世界を目指すと宣言したオバマ大統領の米国が自らは昨年も核実験を繰り返して、その上での後発国の核開発は認めない(それ自体は正当性論理ではある)という大国覇権主義(hegemonism)市場独占化が世界戦略のパラダイム(paradigm)の現実世界だ。
 米国覇権主義論理が「説得力」を持たずに国際的理解を得られずにひとり強権性を押し通して、結果として国際政治からかっての強い影響力を徐々に失くしているのが現在だ。

 石油開発世界戦略で長らく米国と敵対関係にあるイランが、国際世論にも米国の反対にも反して(さらに優遇されるイスラエルにも対抗して)相矛盾するその「足元」を見ての核開発を続ける理由だ。
 良好な外交関係にある日本がイランからの原油輸入縮小とさらに伝えられているようにイランがホルムズ海峡封鎖となれば、輸入に頼る石油量不足、価格高騰による日本経済への打撃は大きい。
 ホルムズ海峡の封鎖はイランの売り言葉に買い言葉の威勢の強さを感じるが(イランにその軍事能力は少ないと見られて)、欧州経済不安危機による世界経済不安定時代に米国とイランの石油資源を巡る敵対関係は、両国の相矛盾する姿勢を突いての収束の道標(guide board)も見えない。

 オーバーフロウの核保有国が「核兵器削減」を率先主導(take the initiative)して世界平和への不安定要素を取り除かない限り、後発核開発国の「動き」を抑えることなど不可能なことだ。

 (2)米国はイラクから駐留米軍兵力を完全撤退して、さらにアフガンからも今年9月までに一部(3万人強)兵力を撤退する方針だ。米国内経済不況による防衛予算の削減による戦略の見直しによるものだが、これにアフガン国内で駐留米軍と対峙する反政府組織「タリバン」がカタールに国際社会との交渉窓口を開設して、米国との戦争終結交渉への機運が高まっている。(報道)

 タリバン派に対する米軍の非人道的な行為(戦争状態を続けながら非人道的行為もないものだが)に対しても、「交渉」とは別問題という「寛容」さも示して(報道)タリバンの従来の闘争スタンスからの「変化」もはっきり読みとれる。
 先行きは不透明だが、やはり米国自らの「兵力撤退」という戦争終結へのプロセス「率先主導」という行動がタリバンの「変化」を生んでいることは十分に考えられる。

 イラン核開発問題に対する米国の対応、立場についても、このタリバンとの戦争終結シナリオを「教訓(precepts)」とすべきだ。

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