(1)大学も卒業生の10万人近くが未就職という雇用不安、氷河期の時代を迎えて、すでに就職活動を3年次からの活動開始にシフトして極端には入学後早々から4年先を見越した就職ガイダンスを開始する大学もある。
企業は大学からの学業優先、授業環境の確保の要請を受けて、昨年4年次の秋(11月)以降の求人開始対応を申し合わせて実施したが、中には1年次からインターシップとして学生に企業内経験を積ませて実質採用者を確保する新手(あらて)手法まで出てきて、大学も学生も企業も不況、雇用不安の今日的社会ベース(social basis)への過剰反応に追われている。
(2)近年は大学も最大限所定の授業時間数確保を前提とした教育研究の実績、充実のために、新年度(4月)、新年(1月)も早々からの授業開始を進めており(新年度ガイダンスは3月末に実施)、1年間最も長く熱心に学業に取り組んでいる教育機関だ。実験系学部では夏季休暇中も授業、実験を実施している。大学は自主的、自立的、自律的、自由に学業を継続できる教育研究機関でもある。
近年は少子化に合わせて多様な資質の学生(人材)を確実に確保して大学経営、大学教育ブランド(Univ. brand)を高めようと、入試制度も複雑、多岐になっている。
この大学教育内容のブランド化とあらかじめ多様な資質の学生(人材)確保という「二律背反」する安易で熱心な教育姿勢が、しかし今日の大学の「歪(ゆが)み(distortion)」の現実だ。
(3)教育機関というのは、所定の年限の中で人間の多様で多彩な学識、資質、人格を育成、教育するキャンパス・カテゴリー(campus kategorie)だ。
一定の教育環境、水準をまず維持したいという気持ちは分からない訳ではないが、はなっから多様で多彩な学生(人材)を集めることに特化する複雑多岐な入試制度は本質論ではない。
教育先進国では入学するのは容易(たやす)く、卒業(資格)するのは難しいというのがテーゼ(these)だ。国の歴史、教育社会環境の違いはあるから、一概にも言えないが教育の本質だ。
(4)2日間の今年のセンター試験、大震災による会場変更のイレギュラーもあったとはいえ、制度始まって以来の実施会場サイドのトラブル続発だった。リスニング機器が届いていなかった(受験生2時間待ち)などとは言語道断だが、複雑多岐な選択科目での対応不備で問題、解答用紙配布ミス、記入指示ミス続発ではこれに賭けてきた受験生(4500人に影響ー報道)には気の毒としか言いようがない。東電の損害賠償申請書での分かりにくさの前例があったばかりの、そのものの実施サイドの周知、準備不足だった。
試験の重要性を考えるならば、経費をかけてでも「間違っても安全(fail safe)」の論理が入試体制、準備に必要だった。
入学してから教育、育成するテーゼが大学教育に不足しているから、あらかじめ教育水準を整える選抜方式(入試制度)にだけ「凝る」弊害が出た。
(5)入学後早々から4年先への就職ガイダンスを始める大学教育とインターシップとして在学早々から採用者を確保する企業と、経済効率、成長論理ばかりに左右される「教育」を社会、企業、大学が自己点検評価すべき時だ。教育は国の根幹だ。
企業は大学からの学業優先、授業環境の確保の要請を受けて、昨年4年次の秋(11月)以降の求人開始対応を申し合わせて実施したが、中には1年次からインターシップとして学生に企業内経験を積ませて実質採用者を確保する新手(あらて)手法まで出てきて、大学も学生も企業も不況、雇用不安の今日的社会ベース(social basis)への過剰反応に追われている。
(2)近年は大学も最大限所定の授業時間数確保を前提とした教育研究の実績、充実のために、新年度(4月)、新年(1月)も早々からの授業開始を進めており(新年度ガイダンスは3月末に実施)、1年間最も長く熱心に学業に取り組んでいる教育機関だ。実験系学部では夏季休暇中も授業、実験を実施している。大学は自主的、自立的、自律的、自由に学業を継続できる教育研究機関でもある。
近年は少子化に合わせて多様な資質の学生(人材)を確実に確保して大学経営、大学教育ブランド(Univ. brand)を高めようと、入試制度も複雑、多岐になっている。
この大学教育内容のブランド化とあらかじめ多様な資質の学生(人材)確保という「二律背反」する安易で熱心な教育姿勢が、しかし今日の大学の「歪(ゆが)み(distortion)」の現実だ。
(3)教育機関というのは、所定の年限の中で人間の多様で多彩な学識、資質、人格を育成、教育するキャンパス・カテゴリー(campus kategorie)だ。
一定の教育環境、水準をまず維持したいという気持ちは分からない訳ではないが、はなっから多様で多彩な学生(人材)を集めることに特化する複雑多岐な入試制度は本質論ではない。
教育先進国では入学するのは容易(たやす)く、卒業(資格)するのは難しいというのがテーゼ(these)だ。国の歴史、教育社会環境の違いはあるから、一概にも言えないが教育の本質だ。
(4)2日間の今年のセンター試験、大震災による会場変更のイレギュラーもあったとはいえ、制度始まって以来の実施会場サイドのトラブル続発だった。リスニング機器が届いていなかった(受験生2時間待ち)などとは言語道断だが、複雑多岐な選択科目での対応不備で問題、解答用紙配布ミス、記入指示ミス続発ではこれに賭けてきた受験生(4500人に影響ー報道)には気の毒としか言いようがない。東電の損害賠償申請書での分かりにくさの前例があったばかりの、そのものの実施サイドの周知、準備不足だった。
試験の重要性を考えるならば、経費をかけてでも「間違っても安全(fail safe)」の論理が入試体制、準備に必要だった。
入学してから教育、育成するテーゼが大学教育に不足しているから、あらかじめ教育水準を整える選抜方式(入試制度)にだけ「凝る」弊害が出た。
(5)入学後早々から4年先への就職ガイダンスを始める大学教育とインターシップとして在学早々から採用者を確保する企業と、経済効率、成長論理ばかりに左右される「教育」を社会、企業、大学が自己点検評価すべき時だ。教育は国の根幹だ。