いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

武器輸出政策でいいのか。 shift the exportation of weapon in policy

2012-01-08 22:14:17 | 日記
 (1)核兵器は、①持たない、②つくらない、③持ち込まないの非核三原則(沖縄返還時の密約で不問に付された)が「建前」の日本が武器(通常兵器)禁輸政策を大幅に転換して、武器・技術輸出政策へシフト(shift the exportation of weapon in policy)する。
 技術力の開発、継承、持続とか国際協力目的とか防衛装備の近代化とか取ってつけたような正当性を述べているが、唯一の被爆国で平和憲法を維持する日本の政治姿勢とは整合性がなくまして「非核三原則」と「武器輸出政策」の共存は説明のつかない「相矛盾」する政治理念だ。

 日本は日米同盟重視のもとにすでに米国覇権主義の世界戦略に組み込まれて、かってのGDP世界2位の経済力に見合った世界貢献をとか言われてその一翼を担う「責任」を強く米国から求められてきた。
 平和憲法、拡大解釈しての自衛権の存在をも逸脱する自衛隊の「海外派遣」まで常態化して、平和憲法の精神をなし崩しにマヒさせてきた。そうしての武器輸出の解禁政策だ。

 (2)中国の軍事力台頭、東・南シナ海進出を受けてアジア圏に緊張が高まり、防衛力・武器装備の近代化、高度化が必要との防衛省の意向を受けて、友好国との共同技術開発、提供、提携関係を促進するものだ。
 平和憲法の維持による自衛(権)能力の限界を沖縄に過度の負担を強いての日米安保同盟により安全保障するのが日本の防衛構図だ。自衛防衛力の近代化、高度化と日米安保同盟の維持とは並列しての軍事力増強を示し、ここでも説明のつかない「相矛盾」する政治理念を示している。

 (3)どうしてそんな分かりきったこと(背信行為)をするのか。米軍の強い意向で日米軍事同盟(安保)により日本が米国の世界戦略に組み込まれているからだ。日米安保条約が今や日本の安全を守るためのものだけでないことは、中東アラブ地域への軍事介入発信基地としての沖縄米軍の役割の変化を見ればわかる。

 (4)新興国中国の経済成長で日本経済もGDP世界3位に降下し、慢性的な国内デフレ、円高経済に1000兆円を超える財政赤字国家の中での武器輸出政策への転換はこの打開策でもあるまいし、防衛省先行の軍備相矛盾する危うい「妄想」政策がひとり歩きしている日本の自衛防衛政策だ。

 政府の武器輸出政策への転換は、十分な論議(非公開の委員会3回開催で決定)がなされずに(報道)防衛省、関連産業主導で進められ、しかし、その防衛省内部にも「国民的議論なしで大丈夫か」(報道)という懸念もあるという。関連軍事産業の巨額利益独占支配体制の中で、一方的、独善的に進められていること、その不安を示すものだ。

 (5)政府には非核三原則と武器輸出政策、日米安保同盟と自衛防衛能力の近代化、高度化という「相矛盾」する政策理念の整理、整合性、国民への説明責任(accountability)が必要だ。

 核兵器のない世界を宣言した米国大統領からはすっかりその理念(ノーベル平和賞授賞)は聞かれなくなったが、唯一の被爆国の日本の国際平和に寄与、貢献する方法、政策を国民議論、合意の中で構築していかなければならない重要問題だ。武器輸出政策はその平和への道に逆行するものだ。

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