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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮変化の条件。 terms of change in N.K.

2012-10-15 19:51:05 | 日記
 (1)当時の小泉首相が「突如」訪朝して、北朝鮮の金正日総書記が北朝鮮による日本人ら致(abduction)の国家的犯罪を認めて、日本人ら致被害者5人が帰国を果たして10年を迎える。10年ひと昔の時代からさらに歴史の回転速度が加速した現代世界において、この10年間は対北朝鮮外交空白の長い10年間であった。

 破滅型(ruin style)国家思想の北朝鮮に対して、日本は経済制裁中心による封じ込め強行姿勢で臨んできたが、成果は得られなかった。

 (2)北朝鮮事情の正確な情報確認など知るよしもないが、日本人ら致被害者5人の帰国にあたっては、訪朝、国家的犯罪の容認の「突如性」からの何らかの見返りがあってのことと推測されるが、それに対して北朝鮮は日本政府の足元を見た支援の継続性を見越してのら致被害者「小出し」の回答で応えたために、それを察知した日本政府がその後の見返り対応を拒否したための空白の10年間と見るのがひとつの見方ではないのか。

 (3)ともかくも破滅型国家思想の北朝鮮には、制裁、封じ込め一辺倒外交は成果をもたらさないことははっきりした。
 それは北朝鮮の核開発阻止に対する米国の外交姿勢でも北朝鮮の反発、これ見よがし外交を招いただけで、「失うものが何もない」北朝鮮の国家間約束など平気で無視する自在な変容外交を見せつけられただけだ。

 (4)北朝鮮の「変化」を伺うとすれば、パラドックス(paradox)として「国家的安定」と「国際社会への取り込み」が基本条件(terms of change)、戦略ではないのか。
 経済的、社会的に安定し、成長し、一定の「国力」をつけることによって発言力を増して、国際社会への建設的な影響力を持つことが柔軟な外交姿勢、パフォーマンスにもつながるシナリオもある。

 (5)国力が増強すればイラク、中東の二の舞、それだけ国際社会の脅威になるとの一般論もあるが、ここは隣国中国と「利益」が競合して必ず中国が「重し」となって動くだろうし、北朝鮮の場合、そうはならない(脅威論)地域環境条件が働くだろう。

 国際社会から完全に遊離されている北朝鮮にとって、その間も唯一の支援国としての中国の存在は大きく、中国もGDP世界2位の経済発展の新興国としての立場からも北朝鮮の脅威論を利用することなど最早できない国際政治、社会環境にあるからだ。

 (6)北朝鮮は金正日総書記の死去による指導者の交代、世代交代が進んで、「変化」は確実に窺(うかが)い知れるようになってきた。
 ①核疑惑に対する外国報道機関の受け容れ、②国境近くの中国内での経済見本市の開催、③都市部での生活改善、向上の公開、④赤十字を通じた日本人遺骨収集訪朝、⑤経済改革の方針〔失敗してもかまわない。人民から不満が出れば(政策を)変更したら良い。(報道)〕に確実に変化は見られる。

 (7)指導者の交代以上に(むしろそれよりも)、経済安定による国内安定化が北朝鮮の破滅型国家思想を変えるのではないのか。取り巻く周辺アジア圏の経済成長、ミャンマーの民主化改革も後押しするだろう。
 制裁一辺倒から開放経済、国際社会取り込みが北朝鮮「変化」の道標(みちしるべ)だ。

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