(1)昨秋、山形市で起きた救急車(ambulance)出動要請を巡る依頼者の出動要請に応えなかったあと、9日後に病死で発見された依頼者の大学2年生の母親が市に賠償を求めた裁判が始まった。
当時のやり取りが録音されており、依頼者の大学生はいかにも説明がシドロモドロ、ろれつが回らなくて救急通信員の問いかけ、名前の確認にも「19」と多分年令を答えている弱体化した様子が伺えるものだった。
やり取りの中での「歩ける」との返事があって通信員は、依頼者自ら病院で受診するよう指示したようだ。
結果は上記のとおり、9日後に依頼者の大学生は病死しているのが発見された。救急車の出動だけがすべての救命方法とは思われないが(あとに記述)、救えるかもしれない命が奪われたことは事実だ。
(2)かっての社会は、よっぽどの緊急時、急激な病状悪化の時に救急車を呼ぶことが社会規範(paradigm)であったから、救急車出動要請が拒否されることなど想像だにしない社会通念があった。
その後、搬送中に病状が悪化して助かるかもしれない命が奪われることの「教訓」から治療行為も可能な救急救命士を救急車に同乗させて搬送する改善、改革が行われた。
(3)近年は、「タクシーがわり」に救急車を呼ぶ行為が社会問題となり、救急「119」番通報が急増して飽和状態ともいわれて、その3分の1は間違い電話も含む(報道)といわれる無秩序状態の中だ。
消防機関では、救急電話の応対、対応マニュアルを作成して確認対応の均質化方針を示しているが、全国でそのとおり実施されているのは少ない(報道)といわれている。
(4)また冒頭の病状確認例を見聞きすると、本当に病状緊急事態に適したやり方なのか、どこまで専門的分析、検証されているものかは疑問だ。
本当に病状悪化で助けを求める患者にとっては一刻も争う緊急場面なだけに、その事態をいち早く察知できる高度で専門的識見も必要だ。
冒頭の執拗(しつよう)なやり取りを見聞きしていて、それどころじゃないだろうという、やるせない切ないイライラを憶えるばかりだ。まして母親ともなればなおさらのことだ。
(5)もちろん通信員の責任だけを問題にするわけにはいかない。近年の社会通念の無責任性、無秩序性(救急車のタクシーがわり、間違い電話増加)、パラダイム(paradigm)の欠如は危機管理にも予断を抱いて、大いに反省させられるところだ。
そういう社会の「既成概念」のうえに成り立つ社会の「疑心暗鬼」性が招いた不条理、理不尽(unreasonableness)だ。
(6)ろれつが回らずにうっ屈として名前を聞いても年令数字を答える依頼者に執拗な問いかけはむごく、状況を的確に察知して、仮に救急車出動はしなくても医療的事後対応、確認(訪問看護)を関係機関に指示する、できる連携方法の整備、確立はあって当然だ。
救急通信員にも、救急救命士改革のような改善、改革が求められている。
当時のやり取りが録音されており、依頼者の大学生はいかにも説明がシドロモドロ、ろれつが回らなくて救急通信員の問いかけ、名前の確認にも「19」と多分年令を答えている弱体化した様子が伺えるものだった。
やり取りの中での「歩ける」との返事があって通信員は、依頼者自ら病院で受診するよう指示したようだ。
結果は上記のとおり、9日後に依頼者の大学生は病死しているのが発見された。救急車の出動だけがすべての救命方法とは思われないが(あとに記述)、救えるかもしれない命が奪われたことは事実だ。
(2)かっての社会は、よっぽどの緊急時、急激な病状悪化の時に救急車を呼ぶことが社会規範(paradigm)であったから、救急車出動要請が拒否されることなど想像だにしない社会通念があった。
その後、搬送中に病状が悪化して助かるかもしれない命が奪われることの「教訓」から治療行為も可能な救急救命士を救急車に同乗させて搬送する改善、改革が行われた。
(3)近年は、「タクシーがわり」に救急車を呼ぶ行為が社会問題となり、救急「119」番通報が急増して飽和状態ともいわれて、その3分の1は間違い電話も含む(報道)といわれる無秩序状態の中だ。
消防機関では、救急電話の応対、対応マニュアルを作成して確認対応の均質化方針を示しているが、全国でそのとおり実施されているのは少ない(報道)といわれている。
(4)また冒頭の病状確認例を見聞きすると、本当に病状緊急事態に適したやり方なのか、どこまで専門的分析、検証されているものかは疑問だ。
本当に病状悪化で助けを求める患者にとっては一刻も争う緊急場面なだけに、その事態をいち早く察知できる高度で専門的識見も必要だ。
冒頭の執拗(しつよう)なやり取りを見聞きしていて、それどころじゃないだろうという、やるせない切ないイライラを憶えるばかりだ。まして母親ともなればなおさらのことだ。
(5)もちろん通信員の責任だけを問題にするわけにはいかない。近年の社会通念の無責任性、無秩序性(救急車のタクシーがわり、間違い電話増加)、パラダイム(paradigm)の欠如は危機管理にも予断を抱いて、大いに反省させられるところだ。
そういう社会の「既成概念」のうえに成り立つ社会の「疑心暗鬼」性が招いた不条理、理不尽(unreasonableness)だ。
(6)ろれつが回らずにうっ屈として名前を聞いても年令数字を答える依頼者に執拗な問いかけはむごく、状況を的確に察知して、仮に救急車出動はしなくても医療的事後対応、確認(訪問看護)を関係機関に指示する、できる連携方法の整備、確立はあって当然だ。
救急通信員にも、救急救命士改革のような改善、改革が求められている。