いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

レコード大賞異聞。 curious story of japan records great award

2013-01-04 20:08:10 | 日記
 (1)12月31日はいつものように何、何しながらの紅白歌合戦の観戦であったが、前半はどこの国の音楽祭かと見間違うほどの不思議なステージであったが、それも時代、音楽構成が変わった証しなのだろうからそれを悟ることが出来るだけでも「新鮮」ではあった。
 むしろ31日のNHKのゴールディンタイムに懐古調の番組を見せられてはがっかりさせられるだけで、時代の「先端」を見られるだけで12年の大晦日これはこれで致し方もないことだ。

 歌合戦というからには投票によって勝ち負けを決める方式ではあるが、人気アイドルグループの司会者にその系列の人気グループがいくつか出場していて最初から投票は白組に偏(かたよ)ることがあきらかな構成演出の中で、演出が無理に勝負の行方はと盛り上げるまでもなくそのとおりの結果となったのは愛嬌(あいきょう)だった。

 (2)日本レコード大賞(japan records great award)なるものがまだ存在していた。かっては31日に民放のレコード大賞が決まってから、参加ミュージシャンが数分後のNHK紅白歌合戦のオープニングステージに間に合わせる移動方法が話題にもなっていたが、時代音楽はレコードからCDにさらに今はインターネットのダウンロードの時代となって、日本レコード大賞も目的、意義もはっきりせずに関心、興味も薄れてすでに31日大晦日から撤退していた。
 ミュージシャンの中には、自ら選考対象となることを辞退する動きもある始末だ。

 今年のレコード大賞は、昨年に続いて「AKB48」が授賞した。今年のCD年間売り上げランキングの1位から上位を独占してミリオンセラーも記録するなど、若年層に絶対人気のグループだ。
 この結果に対して、審査員の作曲家から「これも時代の流れか」という結果に不満(あるいは現代の大衆音楽への不満)と思われる発言が報道されて話題となった。楽曲構成に対する時代の変化、CD売り上げが若年層中心に偏っている現代音楽、事情への啓発(enlightenment)なのだろうが、それは審査があるとすれば既定の事実、前提であって何を今更の感はある。

 なぜ今「レコード」大賞なのか、音楽時代はレコードからCDにそしてダウンロードの時代に大きく変化している中で、伝統文化を重んじているのか唯我独尊のつもりなのか、その目的、趣旨、意義と合わせて今ではよくわからないはっきりしない音楽賞だ。
 まわりはすでに作詩大賞とか有線放送大賞とか音楽大賞とかでありふれており、名称変更も容易ではない事情もある。

 当の審査員の作曲家は、受賞作品、グループへの不満をこれも時代の流れかと嘆く(多分)まえに「日本レコード大賞」の現在名称のミスマッチと選考基準のはっきりしない、あいまいさに、そして「日本レコード大賞」の存在意義(identity)そのものに問題提起すべきことであった。

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